産業ガス大手のエア・ウォーター北海道は小規模酪農家向けの高効率バイオガスプラントを開発した。小型化によって価格を従来の半分程度に抑制。ふん尿の発酵にかかる日数も従来の半分に短縮し、運用コストも削減した。新製品は21年に発売する予定だ。
バイオガスプラントは牛のふん尿からバイオガスを取り出して発電する。発酵過程で発生する消化液は肥料、汚泥は乾燥させれば牛の寝床に使う敷料になる。
飼育頭数100頭以下の小規模酪農家では飼育環境の関係で麦わらなどが混ざった半固形状のふん尿が発生。液状のふん尿と違い、希釈作業にコストがかかるのがプラント導入のネックだった。
新開発の「乾式メタン発酵システム」は水を加えずに高温発酵するため、処理日数は従来の半分の20日程度に短縮。バイオガス生成量は従来より3割増えた。撹拌(かくはん)機を発酵槽の外側に取り付けることで設備を小型化した。価格は6000万~8000万円程度と従来の半分ほどに抑えた。
同社は北海道清水町で北土開発(芽室町)や帯広畜産大学(帯広市)と共同で、新製品開発のための実証研究を進めてきた。エア・ウォーター北海道で開発を担当する保井聖一氏は「全道の酪農家の悩みに応えられるプラントができた」と話す。今後は蓄電池やバイオガスから水素を取り出して発電する燃料電池の活用も検証する。
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