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1兆円超え半導体買収、4カ月ではや4件 AMDやマーベル

ネット・IT
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北米
2020/10/30 3:30
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半導体業界で大型M&Aの発表が相次いでいる=ロイター

半導体業界で大型M&Aの発表が相次いでいる=ロイター

【シリコンバレー=佐藤浩実】半導体業界で大型再編の動きが相次いでいる。29日には米中堅のマーベル・テクノロジー・グループが同業の米インファイを100億ドル(約1兆400億円)で買収すると発表。1兆円を上回るM&A(合併・買収)は2020年下期だけで4件目だ。対中取引などの不透明感が強まるなか、株価上昇を生かして勝負に出る企業が目立つ。

「クラウド関連の事業を強化し、むこう10年で『5G』の分野でも存在感を高める」。ネットワーク用の半導体を手掛けるマーベルのマット・マーフィー最高経営責任者(CEO)は29日、買収発表に際してこう述べた。中長期で成長が見込めるクラウドや高速通信規格「5G」の領域で競うため、高速通信に強いインファイに着目。現金と株式交換を組み合わせ、100億ドル規模の買収に踏み切る。

半導体業界では2日前の27日に、CPU(中央演算処理装置)大手の米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が350億ドルで米ザイリンクスを買収すると発表したばかりだ。9月には米エヌビディアが最大400億ドルを投じ、ソフトバンクグループから英アームの株式を取得することで合意した。7月には米アナログ・デバイセズ(ADI)もマキシム・インテグレーテッドを約210億ドルで買収すると表明済みだ。

マーベルによるインファイの買収が加わったことで、日本円換算で1兆円を上回る規模の半導体メーカーのM&Aは7月以降で4件となった。新型コロナウイルスの影響で20年上期のM&Aが停滞したという事情はあるものの、下期に入り、月に1件のペースで巨額買収が合意に至っている計算になる。

各社に共通するのは、株式交換の活用だ。AMD―ザイリンクスとADI―マキシムは全ての取引を株式交換でまかない、エヌビディア―アームとマーベル―インファイは株式交換と現金での支払いを組み合わせる。

経済情勢の不透明感が強まるなかで、株式交換は現金の流出を抑える手立てとなる。さらに買収を表明した企業の多くは、シェア向上や新型コロナ下での需要拡大によって株価の上昇が目立っていた。

例えば、AMDの株価は年初から買収発表の前日(26日)にかけて67%上昇し、エヌビディアは同2倍になっていた。次世代品の遅延に苦しむ米インテルの株価が年初から3割近く下げているのとは対照的だ。エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は「アームは世界でも希少な宝の一つ。ほしくてたまらなかった」と話す。「高い自社株」を生かして、人工知能(AI)時代のデータ処理の覇権獲得をにらんだ大勝負に踏み切る。

一方で、華為技術(ファーウェイ)との取引規制など、中国ビジネスの不透明感が再編を後押ししている側面もありそうだ。AMDが買収するザイリンクスは通信基地局向けの半導体を手掛けている。米政府がファーウェイに対する事実上の輸出規制を課したため、先端品の供給で影響を受けているとみられる。

マーベルやインファイもファーウェイを顧客に抱えていた企業だ。今後のビジネスへの不透明感が高まるなかで、M&Aによって規模とともに米国企業などとの取引の比率を高め、政治情勢に伴うリスクを軽減する重要性は高まっている。

4件のM&Aはいずれも当事者間の合意を発表した段階で、買収手続きを完了させるには各国・地域の規制当局の承認が必要となる。半導体メーカーの買収は成立までに1~2年かかることも珍しくなく、米クアルコムによるNXPセミコンダクターズ(オランダ)の買収のように中国で承認を得られず破談になった取引もある。ハイテク技術の動向を左右するだけに、4件のM&Aがトントン拍子で進むかは未知数だ。

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