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日立建機、前期40%減益 満たせない「親」の要求

2020/5/28 19:43
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日立建機は28日、2020年3月期の純利益が前の期比40%減の411億円だったと発表した。新型コロナウイルスの影響で各国の販売が落ち込み、円高も逆風となった。日立グループの収益に貢献してきた同社だが、足元の業績は振るわない。日立製作所は21年度までにグループの再編方針を示す予定で、日立建機の処遇が注目される。

中国で稼働する日立建機のショベル

「昨年度は厳しい事業環境の年だった」。電話会議の決算説明会で、平野耕太郎社長は重い声で振り返った。台風の影響で国内主要工場が1カ月にわたって停止。年明け以降はコロナによる販売不振が直撃した。今期の純利益も前期比51%減の200億円に落ち込む見通しだ。

一般建機の新車販売について平野社長は「大きな伸びが期待できない」と述べた。レンタル市場の拡充や資源採掘向けのマイニング事業の深掘りに力を注ぐ構えだ。

業績回復を急ぐ背景には、親会社の日立製作所が現行の中期経営計画が終わる21年度までに上場子会社の再編を決めていることがある。日立建機としては人気の日立ブランドを保ちたい。「親」が求める水準に利益を高めようとしている。

日立製作所の中計には5つの具体的な数値目標がある。海外売上高比率は6割を目指しており、日立建機は78%で大きく上回っている。海外市場が今後も伸びることを考えれば、目標達成を続けられる可能性は高い。

一方で年平均3%以上の増収に対し、19年度実績は減収だった。営業利益率や投下資本利益率(ROIC)も苦戦している。営業キャッシュフローは企業によって求められる金額が異なり単純比較は難しいが、18年3月期まで800億円超だったことを考えると、足元の226億円は低い。

これらをみれば及第点を満たしていないと見えるが、日立建機を手放しにくい理由もある。一つは日立製作所が注力するIoTビジネスが日立建機と相性が良い点だ。

日立建機は世界で稼働する30万台の自社建機を遠隔監視サービス「コンサイト」で遠隔監視している。故障する前兆を事前に感知し、顧客に部品交換を促すことで現場の作業を滞らせない仕組みだ。システムの大元には日立のIoT基盤「ルマーダ」を活用している。日立建機は保守サービスを広げており、それに伴ってグループのIoT事業も自然と拡大する。

鉱山向け事業の成長という点もある。マイニング事業の売上高は20年3月期に前の期より4%伸び、1668億円と過去最高を更新した。この分野は部品やサービスの利益率が一般建機より高い一方、コマツや米キャタピラーと比べて出遅れていた。それでも鉄道車両を作る日立製作所の運行技術も取り入れて無人走行できる鉱山向けダンプトラックを開発するなど、追い上げてきた。

今年はグループ内で日立建機の処遇が決まる大きな1年で、建設機械の本格生産を1950年に始めてから70年という節目の年でもある。日立建機は続く80年、90年の節目を、どんな形で迎えることになるだろうか。

(山中博文)

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