大同特殊鋼は11日、5月に開設した中津川先進磁性材料開発センター(岐阜県中津川市)を報道関係者に初めて公開した。電気自動車(EV)用駆動モーターに使う特殊磁石の開発を手掛ける。世界的なEVの普及をにらみ近隣のグループ会社で量産化を目指している。西村司副社長は「2030年に磁石事業の売上高を2.5倍の約500億円にしたい」と述べた。
新設した開発センターは総面積が2万4千平方メートルあり、約15億円を投じた。磁石の試作設備などがあり、駆動モーターの評価設備は「世界最高水準の装置」を導入した。
大同特殊鋼は「熱間加工磁石」と呼ぶ特殊磁石を開発・製造している。形状などを工夫して磁力を高めた製品を開発し、近くのダイドー電子(岐阜県中津川市)で量産する計画。西村副社長は「この1年で製造技術を確立し、一刻も早く量産したい」と述べた。足元の磁石事業の売上高は200億円弱という。
熱間加工磁石は一般的な磁石よりも結晶を細かくすることで、通常耐熱性を高めるために必要な重希土類の添加を少なくできるメリットがある。重希土類は中国依存度が高いため政治的リスクを受けて、価格が乱高下しやすい。
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