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OKM、船舶用バルブ開発・生産強化 環境規制追い風

滋賀
関西
自動車・機械
2020/10/30 21:55
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円盤を回転させて流量を制御するバタフライバルブが主力(滋賀県日野町の本社工場)

円盤を回転させて流量を制御するバタフライバルブが主力(滋賀県日野町の本社工場)

環境規制に対応した船舶向けバルブの好調を受け、バルブ製造のオーケーエム(OKM、滋賀県日野町)が開発・生産体制を強化する。滋賀県野洲市に研究開発拠点を新設、手狭になった中国工場は移転・拡張する。投資額は計20億円超。同社は船舶排ガス用バルブで世界首位のニッチトップ企業。プラント向けなどにも受注を拡大し、2020年3月期で81億円の売上高を10年間で200億円にする考えだ。

バルブは配管の中で、気体や液体などの流れを制御する部品。OKMが主力とするバタフライバルブは円盤状の仕切り板の向きを変えることで止める、流す、絞る役割を果たす。船舶や工場、高層ビルの空調など需要は幅広い。同社は顧客の製品開発に参加する形で細かなニーズに対応する開発力が強みだ。

オーケーエムの研究開発センター(滋賀県野洲市)

オーケーエムの研究開発センター(滋賀県野洲市)

新設の研究開発センターは4階建て、延べ床面積3269平方メートル。まず開発部門の14人が移った。奥村晋一・取締役常務執行役員は「JR野洲駅に近く、県内や京阪神の産学官組織との連携を強化できる」と期待する。試験設備などに計13億8千万円を投じ、得意のカスタマイズ力に磨きをかける。マーケティング部門も移し、将来は本社機能の移転も検討する。

中国の新工場は上海港に近い江蘇省常熟市に7億6千万円をかけて開設し、21年2月に稼働させる。同省蘇州市の工場は売却する。生産能力は30年までに3倍の年24万台に拡大する。国際協力銀行(JBIC)と滋賀銀行から3億8千万円の協調融資を受けた。

中国では船舶向けや半導体工場の工業用水向けのバルブが好調だ。村井米男社長は「様々な分野での環境規制の強化はビジネスチャンス。特に中国向けはさらに伸びる」と話す。19年には本社に近い滋賀東近江工場(滋賀県東近江市)が稼働したばかり。攻めの戦略の背景には、船舶排ガス用バルブの好調がある。

国際海事機関(IMO)は船舶の排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)の規制を強化している。造船不況の中でも将来的に必要となる規制対応船の需要は底堅く、OKMは19年に350基だった規制対応船向けエンジンが28年には1300基に拡大するとみている。

排ガスを浄化装置に送る際、圧力調整のためにエンジン1基にバルブ4台が必要。セ氏500度の排ガスに対する耐熱性やシーリング性能、SOxに対する耐腐食性が求められる。同社はいち早く実船搭載などで高性能を立証した。19年は700台を供給した。世界シェアは欧州、韓国勢を含めた5社の中で50%(数量ベース)に上り、経済産業省の20年版「グローバルニッチトップ企業100選」に認定された。

OKMは1902年に木挽鋸(こびきのこ)メーカーとして創業。金属加工技術を生かしてバルブ製造に転換した。滋賀県内に2カ所、中国とマレーシアに生産拠点を持つ。当面は船舶の排ガス用、バラスト水用の拡大が見込めるものの、環境規制に対応した次なる分野開拓に向け、いかに開発スピードをアップするかがカギになりそうだ。(木下修臣)

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