メニューを閉じる
2020年12月2日(水)

製鉄・金属製品

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる業界をフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

福島・白河を「素形材バレー」に 金属関連企業が連携

福島
東北
ビジネス
2020/10/22 18:03
保存
共有
印刷
その他

福島県白河市の一帯に鋳物、プレスなど金属関連の企業を集積して「素形材バレー」をつくろうとする動きが広がっている。勉強会や素材の融通のほか、海外の展示会に共同で出展するなど活動は多彩になってきた。

高熱で溶けた鉄を鋳型に流し込むキャストの鋳物工場(福島県白河市)

「ドイツの展示会で各社の製品の評価は上々。近いうちに輸出契約がまとまるのではないか」。白河市に主力工場を構える鋳物製造のキャスト(東京・千代田)の若林誠社長は、2019年6月にデュッセルドルフで開かれた機械の国際展示会についてこう語る。

任意団体の「白河素形材ヴァレー」の加盟企業は13社。技術力を高めるための勉強会のほか、国内外の販路の開拓に取り組む。

「鋳物の町」は各地にある。南部鉄瓶で知られる盛岡市のように伝統産業に根ざすものや、埼玉県川口市のように大規模な工業地帯に立地する例が多い。

白河地方の場合、金属を流し込む鋳型の原料となる良質な山砂が採れる利点がある。高度成長期以降に各地から金属関連の企業が集まった。

そのため本店所在地や納入先の規模、製品の種類はまちまちで、立地している企業間の交流は活発でなかったという。

そうした企業が連携するきっかけとなったのが11年の東日本大震災だった。

震災で被災した工場復旧のための補助金を国から受けるには、同じ地域や業種の企業がグループをつくって申請する必要があった。補助金の審査合格を目指し、各社は連携することにした。

被災地の復興を支援するため、経済産業省や同省外郭団体の日本貿易振興機構(ジェトロ)も取り組みを後押しした。「素形材」という一般には耳慣れない言葉は経産省の素形材産業室がその由来だ。互いの工場見学から始め、定期的に会合を重ねた。

復興が一巡したあとも白河素形材ヴァレーの活動を支えているのが、行政からの支援を受けやすくなる点だ。

国や自治体の産業振興の補助金には個別企業では取得が難しくても団体なら受給が容易になるものが多い。海外展示会の出展費用も3分の2程度の公的な支援が得られることがあるという。

3年前には補助金を利用して団体で3Dプリンターを購入した。日常の活動でも有料で処分していた木製のパレットを他社に融通したり、工場で出た端材を他社でリサイクルしたりする流れなども生まれている。

白河地方の金属産業の集積地としての知名度はまだ低く、認知度の向上によって受注機会を増やしたり人材を集めやすくなったりする余地は大きい。今後も一つ一つの成果の積み重ねが重要となりそうだ。

(郡山支局長 村田和彦)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

2032件中 1 - 25件

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6...
  • 次へ

業界一覧

  • QUICK Money World