メニューを閉じる
2019年12月15日(日)

製鉄・金属製品

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる業界をフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

静岡のマクルウ、マグネシウムのドローン 軽くて丈夫
(我が社の一押し)

自動車・機械
2019/11/21 19:44
保存
共有
印刷
その他

重たそうな金属製の骨組みを持ち上げると、思わず声を上げてしまうほど軽い。マグネシウムの素材調達から加工、溶接までを手掛けるマクルウ(静岡県富士宮市)が開発したドローン用マグネシウム機体だ。他の金属よりも軽量で丈夫な素材として、ドローンメーカーからの引き合いがじわりと増えている。

ドローン本体を支える下部の溶接機体を開発した

つえやスピーカーなど様々なマグネシウム商品を開発している

マクルウは2010年に設立。冷間引抜加工と呼ばれる方法で既成のマグネシウム合金パイプを小さく精密に仕上げる技術をはじめ、曲げ加工や溶接技術を確立してきた。今ではマグネシウムの調達から設計、加工、組み立てまでを手掛ける。

17年、あるドローンメーカーからホームページを通じて協業の問い合わせがあった。この1年ほど前に発表したマグネシウム製の軽量車イスを見て知ったという。「返事をしたらすぐに社長さんが飛んできて『やろう』となった」(安倍信貴常務)

図面に基づき普段扱うパイプよりもさらに細く仕上げた。また通常は2~1.5ミリの厚みのものを扱っていたが、ドローン用は1.2ミリのパイプで30カ所以上も溶接。「マグネシウムはもともと熱伝導がよく、溶接しにくい素材。いかに穴を開けず熱を伝えるかに苦労した」(同)。こうした仕事が評価され、18年度の日本マグネシウム協会賞「技術賞」を受賞した。

ドローンの機体はほとんどカーボンかアルミニウムで作られる。マグネシウムの比重はおよそ1.7。これは鉄(7.9)の4分の1、アルミ(2.7)の3分の2という最軽量金属で、比強度(強度/比重)や比剛性(剛性/密度)はアルミや鉄より優れる。

ドローンはモデルチェンジが速い。農薬散布用などは大量のモノを乗せて長時間飛び続ける機体が必要だが、空撮ドローンは小型化の傾向がありニーズも様々だ。安倍常務は「マグネシウムという素材の強みとともに、加工技術を武器に顧客ニーズにこたえていきたい」と力を込める。

          ◇

これまでマグネシウムを使った開発例としてはイスや棚といった家具のほか、軽くて丈夫な特長を生かして、つえ、車イス、盲導犬用ハーネスなど福祉分野での事例も多い。さらに振動吸収性が高いことからスマートフォンを置くだけで使える無電源スピーカーなども開発してきた。

自社開発だけでなく、共同開発も頻繁に手がける。「マグネシウムはベンチャー企業が新規参入する際に差別化を目指して求めてくるケースが多い」と安倍常務。アルミなどの他の素材は分業や量産などの産業構造が確立されているが、マクルウは最終的な仕上げまで二人三脚で開発に携わる。「チャレンジングな分野で今後も協業を進めていきたい」と強調する。

(安芸悟)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

2281件中 1 - 25件

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6...
  • 次へ

業界一覧

  • QUICK Money World

日経チャンネルマーケッツでは、マーケット・経済専門チャンネル日経CNBCの番組をライブ配信。配信中の番組から注目のトピックスをお届けします。

「鈴木亮の視界亮行」[映像あり]

12月13日(金)14:20

官房長官 英総選挙「日系企業の円滑なビジネス継続を」[映像あり]

経財相 設備投資堅調「持続的成長の実現に期待」

12月13日(金)13:00