【多角化】写真主体から複写機、医療、印刷、液晶材料などに転換。
富士フイルムホールディングスが28日発表した2015年4~9月期の連結決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比16%増の469億円だった。インスタントカメラ「チェキ」の本体と採算の良い専用フィルムの販売が欧米で伸びた。液晶パネル用材料は不振が続いたが、医療関連を含めた好調で補った。
売上高は4%増の1兆2260億円、営業利益は13%増の806億円だった。カメラ関連事業の営業利益は124億円と2.7倍になった。チェキ以外のデジタルカメラも画質に優れる高級機の販売が伸びた。
円安・ドル高で中国から日本への複合機の調達コストが増え、複合機関連事業の営業利益は3%減の483億円だった。内視鏡などを含む事業部門も7%の営業増益を確保した。
16年3月期通期の純利益は前期比1%増の1200億円を見込む。想定為替レートは1ドル=120円、1ユーロ=135円。第4四半期ごろにもう一度、液晶パネル用フィルムの在庫調整の可能性があるとみており、従来予想を据え置いた。