【塩ビ樹脂世界一】半導体ウエハー、セルロースもシェア高い。
通算11アンダーで優勝し、声援に応える金谷拓実=共同
台風による大雨の影響で競技進行が不規則になった最終日、金谷は第3ラウンドの残りと最終ラウンドの計26ホールを回った。強くなった上空を舞う風に神経を使い、持ち前のバーディーラッシュは影を潜めた。
それでも9番、10番と3〜4メートルの厳しいパットをみごとに決める粘りの「ガッツパー」。神がかりに見えた勝負強さもこの日数えて18ホールを過ぎたあたりで息切れし、13番パー3、15番パー5をまさかのボギーとして集団にのみ込まれた。
17番パー4、金谷のティーショットは左ラフ。残り195ヤード、6番アイアンを「ピンだけを狙って」振り抜いた打球はするするとカップ1メートル弱に寄りついた。OKバーディーで2位集団との差は最小差の1から2へと広がった。
最終日、4番でティーショットを放つ金谷拓実。通算11アンダーで優勝=共同
気力はよみがえった。最終18番はフェアウエーバンカーからグリーン右手前ラフへ。3打目を1メートル半に寄せると「優勝者らしくパーで終えようと」固い決意でウイニングパットを一発で仕留めた。何度も繰り返す。「最後は気持ち」
アマチュアでツアー初優勝、プロ転向後もすぐに2勝を重ねた。ところが積極的に世界へ飛び出した昨年、挫折感を味わった。「優勝するのがこんなに難しいのか」。今年2月、アジアツアーの高額賞金大会をマスターズ王者ら強豪を抑えて制し、つかんだ自信がツアープレーヤー日本一へとつながった。過去3回出て予選落ちしている7月のメジャー、全英オープンへの再挑戦は「(国内外で)2勝した勢いでぶつかりたい」と力を込めた。
(串田孝義)