【国内1位】医療用医薬品に集中。がん領域の新薬開発に注力。
試食会ではIBD向けの料理が並んだ
武田薬品工業はこのほど、社食や学校給食を手がけるエームサービス(東京・港)と共同で腸の難病の患者向けのレシピを公開した。炎症性腸疾患(IBD)は10~20代で発症することが多く、年齢の近い学生にレシピを考案してもらった。IBD患者も食べられるレシピの開発を通じて、病気の認知向上につなげる狙いだ。
両社と国際医学生連盟の日本支部などの3団体でワークショップを開き、参加した学生がレシピを考えた。IBDは頻繁な下痢や血便、腹痛などの症状を伴い、患者は揚げ物や乳製品といった脂質の多い食品を控える必要がある。油を使わずオーブンで焼くことで、腸への刺激の少ないコロッケや唐揚げをイメージした料理のレシピを考案した。ラーメンやデザートなど全10種のレシピを武田のIBD啓発ウェブサイトで見られる。
13日に開かれた試食会に参加した患者は「普段食べられない揚げ物のレシピがあるのはうれしい。味もおいしかった」と話した。武田は本社や工場の食堂でも開発したレシピの料理を期間限定で提供する。「従業員にも病気を知ってもらいたい」(武田)としている。