【通信事業最大手】持ち株会社。傘下に東西地域会社やドコモなど。
▼量子コンピューター 「量子力学」と呼ぶ物理学の理論を応用した次世代の計算機。従来のコンピューターの限界を超えて複雑な問題を超高速で解く可能性をもち、薬や新素材の開発、金融のシミュレーション(模擬実験)などで高い性能を発揮すると期待を集める。2019年には米グーグルがスーパーコンピューターで1万年かかる問題を約3分で解く成果をあげ、世界で開発競争が激化するきっかけとなった。
極低温に冷やし電気抵抗をなくした「超電導」の回路で計算する方式を中心に研究が進む。グーグルやIBM、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などのIT(情報技術)大手のほか、スタートアップの参入も相次ぐ米国が開発を先導する。近年は中国勢も急ピッチで技術力を高め、両国間の覇権争いの対象にもなっている。
日本はNECなどが初期の研究で先駆的な成果を残したが、足元では米中に比べ遅れが目立つ。巻き返しに向け理化学研究所は「国産初号機」として22年度中に超電導技術を用いた量子コンピューターの試作機を整備し、富士通や日立製作所、NTTなど企業も研究開発に本腰を入れる。