【総合化学】住宅、化学品、医療、繊維、建材などに多角化。
マンションなどのくい打ち工事のデータ改ざん問題を受け、国土交通省は9日、実質的に施工に関与しない「丸投げ」を排除するため判断基準や、元請け業者と下請け業者の役割などを明確化することを決めた。同省の中央建設業審議会の小委員会が9日に示した対策案に盛り込んだ。
一連の問題の発端となった横浜市都筑区のマンションのくい打ち工事では、1次下請けの日立ハイテクノロジーズ(東京・港)が2次下請けの旭化成建材(同・千代田)に工事を丸投げしていた。問題発覚を受け建設業界の課題を議論してきた同審議会の小委員会では、丸投げが多重の下請け構造を生み、責任の所在が曖昧になるとの指摘があった。
丸投げは建設業法で禁じられているが、「実質的な関与の有無」の判断基準が曖昧だった。
国交省が9日、審議会へ提示した改善対策案では、元請け業者、下請け業者ごとに実質的な関与の判断基準を明確に定め、業界への通達で周知することが盛り込まれた。
横浜市のマンションでは、工期が遅れる懸念からデータ改ざんを招いたとされるため、案には工事を円滑に進めるための指針を策定することも明記。指針では資材の納入遅延など予測されるトラブルを発注者と施工業者の間で事前に協議し、追加費用の負担や工期の延期などの対応を決めておくよう求める。
小委員会では今月中にこれらの対策案を盛り込んだ建設業界全体の課題についての中間報告案をとりまとめる予定だ。
春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料!