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三井金属、アップルが演出する株価一段高への期待
証券部 久保田皓貴

2019/11/1 2:00
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三井金属の株価が急上昇している。株価材料となっているのは、スマートフォンの中に入る、銅を極めて薄く引き延ばした部材だ。2018年以降、高機能なスマホの生産が減速して部材の出荷が低調だったが、米アップルの新型スマホ「iPhone11」の販売が好調なことや、次世代通信規格「5G」の設備投資が増え、部材の需要拡大への期待が高まっている。11月半ばの2019年4~9月期決算の発表が近づき、「極薄の銅箔」への期待と不安が入り交じる。

「理想買い」の局面を迎えよう――。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の黒坂慶樹氏は決算発表シーズンを控えた10月25日付のリポートで三井金株についてそう評した。

市場が注視するのが「極薄電解銅箔(マイクロシン)」と呼ぶ、三井金が世界市場のシェアでほぼ100%を握る部材の需要動向だ。マイクロシンはティッシュペーパーの20分の1以下という極限の薄さにまで引き延ばした銅箔。高機能スマホや5G基地局の通信機器のような限られたスペースに多くのICチップを配置するには微細な電子回路を形成する必要があり、超微細な回路を効率的に形成するための基板となる。量産には技術力が必要で、三井金は電解やめっき技術といった長年の技術の蓄積を生かしたノウハウがあり、ライバルは簡単にまねできないという。

高機能スマホに「ないと困る」部材だけに、単純な価格競争に巻き込まれず、マイクロシンは営業利益の3割以上を占める稼ぎ頭だ。10月以降の株価は三菱マテリアルなど同業の非鉄銘柄や日経平均株価と比べて突出している。特にiphone11の販売好調が伝わった10日以降は一気に上げ足を速めた。

もっとも、マイクロシンでは苦い経験をしたばかりだ。三井金は2017年5月から、半年ごとに需要予測を公表しはじめ、2017年11月時点では需要は「年率10%以上」という高い成長見込みを示した。19年3月期までにマレーシアに銅箔工場などを立て続けに増強し、1カ月当たりの生産能力は17年と比べてほぼ倍増の400万平方メートルになった。市場も期待を高め、株価は18年1月に約7カ月で2倍の7200円まで上昇した。

ところが、18年以降は高機能スマホの生産量は見込みはずれで、18年11月にマイクロシンの需要見通しを大幅に下方修正した。19年3月期の1カ月あたりの販売量は150万平方メートルに届かず、生産能力の半分未満。生産設備への投資は空振りとなり、マイクロシンが含まれる機能材料事業部門の営業利益は19年3月期に166億円と前の期比でほぼ半減した。株価も一時はピークの3割ほどの水準にまで下落した。

19年3月期を最終年度とする3カ年のキャッシュフロー(CF)は投資CFが営業CFの範囲に収まらず、フリーCFが62億円の赤字になった。20年3月期を初年度とする新しい中期経営計画ではフリーCFを3年累計で500億円の黒字にする目標を掲げる。

11月半ばの2019年4~9月期の決算説明会ではマイクロシンの需要予測を更新する。スマホの新規機種への採用などポジティブな見通しが示されれば、株価は一段高がありそうだ。一方、過去の教訓から慎重な予測にとどまる可能性もある。市場の期待と不安は会社が予測する「極薄銅」の一点に向かいそうだ。

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