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任天堂、そろり始めたスマホ「ガチャ」の本気度
大阪経済部 川崎なつ美

関西
2019/10/4 2:00
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任天堂がスマートフォン向けゲームで、「ガチャ」と呼ばれる有料電子くじの本格導入に踏み切った。9月25日午後5時から配信を始めたスマホゲーム「マリオカート ツアー」は、課金すると特別なキャラクターやカートを一定確率で取得できる。ガチャの本格導入は任天堂がスマホゲームに本気になった表れと見て取れるが、リスクもはらむ。

マリオカートはマリオやピーチ姫などが運転するカートで順位を競う人気シリーズだ。スマホ版では世界の都市を模したコースでレースを繰り広げる。アクセル操作がなく、片手でゲームを楽しめるつくりだ。無料でダウンロードできる。

今回盛り込んだのが、「ドカン」というガチャ機能。有料のゲーム内通貨「ルビー」を使うと、レースを有利に運べる能力を持つキャラクターやカートなどが一定確率で取得できる。スマホゲームではよくある機能だ。任天堂が「マリオ」シリーズなど大型タイトルでガチャを導入するのは初めてだ。

ガチャは以前、ユーザーが特別なアイテムを得るために大金をつぎ込む例が相次ぎ、射幸心をあおるとして社会問題化した。任天堂もこれまで「子どもたちが安心して遊べるゲームをつくる」と、ガチャの本格導入に慎重だった。そんな任天堂が方針転換したのはなぜか。

「(2019年はマリオカートを含めた)2タイトルで一気に変えていきたい」。任天堂とスマホゲームを共同開発するディー・エヌ・エーの2月の決算説明会。同社の守安功社長はこう強調した。両社が共同開発して16年12月に配信を始めた「スーパーマリオラン」は有料ダウンロード数が計画を大きく下回り、巻き返し策が必要となっていた。

業界団体であるコンピュータエンターテインメント協会(CESA)がゲーム事業者にガチャの当選確率の明記を促すなど一定の制約を設けたのも、ガチャを本格導入しやすくなった要因だ。任天堂はマリオカートでも、未成年が月額1万2000円を超える課金をできないようにしたり、レアアイテムが当たりやすくしたりと、射幸性を高めすぎない工夫を盛り込んだ。

「スーパーマリオラン」「ファイアーエムブレム ヒーローズ」「どうぶつの森 ポケットキャンプ」――。任天堂がこれまで投入したスマホゲームは大きな収益源に育っていない。同社はスマホゲームを「ゲームで遊ぶ入り口」(幹部)でありゲーム専用機に誘導する広告の役割と位置づけていたが、スマホゲームが広く定着するなかで軽視できなくなっていた。

ガチャの要素の強いスマホゲームがヒットすると、収益に大きく貢献する。「パズル&ドラゴンズ」が人気だったガンホー・オンライン・エンターテイメントの連結純利益はピーク時に600億円強を記録した。20年3月期の任天堂の純利益予想(1800億円)の3分の1に相当する規模だ。

現時点では、今回のマリオカートが他社のスマホゲームと比べて好調だとは言いがたい。課金をベースにした売れ行きランキングによると、スクウェア・エニックス・ホールディングスコロプラが共同開発したスマホゲーム「ドラゴンクエストウォーク」などに出遅れている。有人対戦の機能が導入されておらず、対戦を有利にするアイテムを得るためにガチャ利用をあおるような状況になっていない。

もっとも、ガチャの要素を強めたゲーム運営はもろ刃の剣だ。ベルギーでは現地メディアによるとガチャの要素があるためマリオカートの配信が見送られたという。スマホゲームの課金競争の過熱は世界各国で社会問題化しており、「課金重視にカジをきれば、任天堂のブランド価値を毀損する可能性もある」(国内証券)との声もある。

マリオカートの配信を始めた25日の取引時間中には、新型の「ニンテンドースイッチライト」の国内推定販売台数が発売した20日から3日間で約17万8000台だったと伝わった。従来型スイッチが発売後3日間で33万台だったことから売れ行き低調との見方が広がり、任天堂株は一時、1940円(4.6%)安の4万410円まで下落した。エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは「市場の期待が強すぎた」と分析する。

足元の株価は年初に付けた安値(2万7420円)から5割戻したが、18年1月に付けた直近高値(4万9980円)を2割下回っている。少しずつゲーム事業の戦略を変えつつある任天堂に対し、市場はまだ満足していないように映る。

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