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復調リコーに「物言う株主」の影
証券部 秦野貫

2019/9/9 4:30
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「経営陣への助言、重要提案行為等」。リコー株の19%を保有するヘッジファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントの保有姿勢が変わった。8月13日に提出した大量保有の変更報告書は、「純投資」から株主提案も辞さない内容に切り替わっていた。

エフィッシモは物言う株主として知られ、ヤマダ電機川崎汽船の経営陣と厳しく対峙してきた。リコーは不採算事業の整理や人員削減で業績を急回復させたが、株価はなお低迷する。2015年から約1600億円を投資してきたエフィッシモも230億円程度の含み損を抱えるとみられ、より圧力を強める可能性がある。

リコーは大口投資家の1つとしてエフィッシモと対話の機会を設けているようだが「株主とのやり取りの有無や内容は回答しない」(リコー)とし、エフィッシモの「助言」や「提案」の方向性は不明だ。ただ、エフィッシモの投資例やリコーの財務状況から考えると、資本効率の改善が大きなテーマになりそうだ。

リコーの自己資本利益率(ROE)はリーマン・ショック前は10%台で推移していたが、19年3月期は5.4%に低下している。エフィッシモは16年、ROEが8%未満の場合は取締役の再任に反対する方針を掲げ、川崎汽船の株主総会で社長選任に反対票を投じた経緯がある。

具体策としてまず想定されるのは自社株買いだ。リコーは08年を最後に自社株買いを実施していない。6月末の現金及び現金同等物は約2300億円と原資はある。ただ「事務機市場が伸び悩む中、将来への投資余力も考えると簡単に自社株買いはできない」(幹部)。リコーは成長を優先したい考えだが、成長シナリオを描けなければ、エフィッシモの還元圧力は増す。

投資家やアナリストの間で、かねてからリコーが打つべきと指摘される一手がある。上場する連結子会社リコーリースの売却だ。

リコーリースは事務機のリースや集金代行などを手がけ、業績は堅調。ROEは前期7%とリコーを上回っている。ただ「業務上の関係は薄く、売却して資産効率を高めるべきだ」(外資系証券)との声は根強い。リコーリースが連結から外れればリコーの総資産や負債は圧縮され、身軽になる。19年3月末時点でリコーリースの総資産は1兆1183億円、負債は9441億円と、それぞれリコーの41%、55%を占める。

保有する53%のリコーリース株の時価は500億円を超え、株式の売却資金を成長投資に回すこともできる。売却すれば単純計算でリコーのROEは5%程度に下がるとみられ、資本効率の低さも鮮明になる。

投資先の経営改善が進まない場合、エフィッシモは厳しく対応してきた。リコーにも17年の株主総会で取締役賞与の支給に反対したとみられ、賛成率52%と薄氷の可決となった。株価を上げたいエフィッシモはリコーに対しても強く要求を突きつけてくるはず。株主総会で議案を通すため、リコーもエフィッシモの要求に耳を傾けざるを得ない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小宮知希氏は「緊張関係が生まれ、企業価値の向上にプラスに働くのでは」とみる。

リコーは現在、21年3月期にスタートする3カ年の中期経営計画を策定中。構造改革後の飛躍の時期と位置づけ、成長戦略に踏み出す。磁場の変化から神経の活動を測定する「脊磁計」を軸にヘルスケアを強化するほか、カメラ技術の活用先を市場が伸びる車載や工場など向けに広げていく。ROEは9%以上を目指す方向で議論している。中計の発表は年明けとみられる。エフィッシモを納得させられる内容になるかどうか、市場も注目を高めている。

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