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日本郵船、「ジャンボ」の航空貨物 なお浮上せず
証券部 松川文平

2019/8/27 4:30
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日本郵船が航空貨物ビジネスで苦しんでいる。子会社の日本貨物航空(NCA)で整備記録の改ざんなど安全を揺るがす不祥事が発覚して1年余り。運航を再開したものの、旧式の大型機「ボーイング747-8F」は燃費や積載効率の面でコスト高になりがちで、赤字から抜け出せないでいる。米中貿易摩擦で航空貨物の先行きには暗雲が漂い、視界は晴れないままだ。

「すべての可能性はオープン」。NCAの将来について語るある郵船首脳の口ぶりからは、必ずしも事業の継続にこだわらないニュアンスすら伝わってくる。経営トップの長沢仁志社長も「海運とはまったく毛色の違う事業」と経営改革の難しさをこぼす。2020年3月期のNCAの経常赤字は130億円と期初予想の2倍強にふくらむ見通しで、グループ全体の足を引っ張っている。

米中摩擦の影響で半導体の製造装置やFA(工場自動化)関連の精密機械、自動車部品といった日本発の航空貨物の荷動きは鈍い。航空貨物運送協会(JAFA)によると、4~6月の輸出重量は約24万トンと前年同期に比べて26%減。7月も23%減と回復していない。

これはライバルのANAホールディングス日本通運日立物流など航空貨物ビジネスを手がける各社に共通する逆風だが、とりわけNCAにとってはきつい。同社が運航する8機の通称「ジャンボ」ことボーイング747は、国内の旅客機としてはすでに退役した旧式の機種で、競合各社の777などの機材に比べてコスト競争力が劣るからだ。

NCAの貨物機「747-8F」は燃費に問題がある

NCAの貨物機「747-8F」は燃費に問題がある

貨物機として最新鋭のボーイング777はNCAの747に比べて燃費が約3割改善している。燃費の差は運賃にも反映されるため、航空貨物輸送の需給が緩んでいる中で「荷主がNCAを積極的に選ぶ理由はない」(野村証券の広兼賢治アナリスト)というのが業界のコンセンサスだ。しかし、いまのNCAには新型機を導入して巻き返すだけの資金力も整備体制もない。

「動きがあるとすれば、市況が改善してからではないか」「機材は要らないけれど、パイロットや整備士はほしい」――。業界では、郵船がNCAを手放すという仮定の話がささやかれるようになった。

NCAの将来をめぐる郵船の経営判断の目安について、JPモルガン証券の姫野良太アナリストは「年末には半導体需要が底入れする。それで荷動きが戻ってくるかどうか」と指摘する。郵船もNCAの赤字が下期にかけて縮小するシナリオを描いているようだ。

しかし、米中の報復関税の応酬の行方は予断を許さない。海運事業では4~6月期に大手3社で事業統合したコンテナ船がようやく黒字転換したが、運航スケジュールの見直しなどコスト削減の影響が大きく、貨物量の伸びによるものとはいえない。

株価は昨年1月に高値3030円を付けてから下げ基調に入っている。26日終値は前週末比37円安の1571円と年初来安値を更新した。郵船本体が回復途上にある中で、展望を見いだしにくい子会社NCAをどうするのか、市場は事業撤退の可能性を含む大きな決断を迫っている。

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