メニューを閉じる
2020年12月4日(金)
9048 : 陸運
東証1部(優先)
JPX日経400採用

【中部最大の私鉄】名鉄グループの中核。関連企業の体質強化急ぐ。

現在値(15:00):
2,869
前日比:
+11(+0.38%)

名鉄、「四半世紀ぶり高値」の復活劇
名古屋支社 林咲希

サービス・食品
中部
2019/7/11 4:30
保存
共有
印刷
その他

名古屋鉄道の株価が四半世紀ぶりの高値圏に上昇している。3月には3125円と1993年以来の高値(株式分割考慮後)を付け、足元でも3000円近辺で推移している。東日本大震災直後の直近安値から株価は3倍となり、首都圏や関西の大手私鉄と比べても上昇率は高い。日本経済の「失われた20年」のなかで、名鉄はどう復活を遂げたのか。

名古屋―中部国際空港を結ぶ名鉄の特急「ミュースカイ」

名古屋―中部国際空港を結ぶ名鉄の特急「ミュースカイ」

復活の土台は「地の利」だ。名鉄の総営業距離は444キロメートルと日本の私鉄で3番目に長い。愛知県はトヨタ自動車グループをはじめ製造業の拠点が集積し、通勤の利用者が多い。19年3月期の輸送人員3億9300万人のうち、通勤・通学定期の利用者は2億6500万人と3分の2を占めた。特にトヨタ関連の企業の立地が多い路線で、工場稼働率の向上を背景とした客足の伸びが目立ち、三河線は18年3月期比4%増、西尾線は8%増となった。

こうした在来線の底力に加え、訪日外国人(インバウンド)の恩恵も広がる。名鉄は中部国際空港(愛知県常滑市)と名古屋駅をつなぐ唯一の路線を運行する。同空港は知多半島の沖合約1.5キロメートルの島にあり、利用者の多くは列車で市街に出る。名鉄はこの需要を独り占めできる。

名鉄の再開発で名古屋駅前の景色は一変する

名鉄の再開発で名古屋駅前の景色は一変する

楽天証券経済研究所の窪田真之氏は「鉄道会社が実はインバウンドの恩恵を最も大きく受けている」と指摘する。バブル的な「爆買い」は一服感があるが、リピーターを含めて訪日客数は年々増え、鉄道の需要は順調に伸び続けているからだ。実際、外国人旅客の伸びがけん引して、中部空港の旅客数は18年度に前年度比7%増の1235万人と過去最高を更新した。9月には格安航空会社(LCC)向けの第2ターミナル開業という新たな起爆剤も控えており、インバウンド銘柄として名鉄の注目度は高まっている。

地の利やインバウンドを生かす経営の変化も株価復活の原動力だ。安定した在来線収入を背景に、12~17年度までは「経営基盤強化期」と位置づけて、名鉄は保守的な経営を堅持してきた。18年度以降は一転、「戦略投資期」として攻勢に出る。18~20年度の3年間で成長事業への投資額を700億円と15~17年度比で倍増する計画だ。

関東や中部でのタワーマンション建設や、名古屋市内の主要駅の1つである伏見駅の駅ナカや市内北部の大曽根駅に直結するショッピングモールなど商業施設の開発にも力を入れる。観光・ホテル事業では、国宝「犬山城(愛知県犬山市)」を前面に押し出し、犬山駅には高級ホテル「ホテルインディゴ犬山 有楽苑」の誘致にも成功した。列車や駅構内の案内表示の多言語化などインバウンド対応も強化する。

地域のライバルであるJR東海のリニア中央新幹線事業も、域外からの集客には追い風だ。名鉄は27年の東京―名古屋間のリニア開通を見据え、名古屋駅前の大規模な再開発を計画する。名鉄百貨店などが入る建物を計6棟取り壊し、地上30階程度、南北400メートルにわたる高層ビルに建て替える。商業施設やオフィス、ホテル、住宅などが入る見込みだ。周囲の再開発に出遅れて老朽化が目立った名鉄の一角が一新されると、名古屋駅周辺の景観は一変するだろう。

無論、巨額の投資にはリスクがつきものだ。名鉄のPER(株価収益率)は約20倍と、30倍前後の京浜急行電鉄小田急電鉄近鉄グループホールディングスと比べて低い。関東や関西の私鉄大手と比べて知名度や投資家の認知度で見劣りするのは否めない。その差を埋めて、「私鉄の代表銘柄」に脱皮できるかは、攻めの経営の成否にかかっている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

ニュース(コラム・解説)  ※ニュースには当該企業と関連のない記事が含まれている場合があります。

1件中 1 - 1件

【ご注意】
・株価および株価指標データはQUICK提供です。
・各項目の定義についてはこちらからご覧ください。

便利ツール

銘柄フォルダ

保有している株式、投資信託、現預金を5フォルダに分けて登録しておくことで、効率よく資産管理ができます。

スマートチャートプラス

個別銘柄のニュースや適時開示を株価チャートと併せて閲覧できます。ボリンジャーバンドなどテクニカル指標も充実。

日経平均採用銘柄一覧

日経平均株価、JPX日経インデックス400などの指数に採用されている銘柄の株価を業種ごとに一覧で確認できます。

スケジュール

上場企業の決算発表日程や株主総会の日程を事前に確認することができます。

株主優待検索

企業名や証券コード以外にも優待の種類やキーワードで検索できます。よく見られている優待情報も確認できます。

銘柄比較ツール

気になる銘柄を並べて株価の推移や株価指標(予想PER、PBR、予想配当利回りなど)を一覧で比較できます。

  • QUICK Money World