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サントリーBF、ペット再生 ESG呼び込めるか
証券部 岩本圭剛

2019/6/24 4:30
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サントリー食品インターナショナル(サントリーBF)は、親会社が5月末にペットボトルを100%再生すると宣言した。社会で持続的に事業を続けていくために環境への取り組みでリスクを減らす狙いだ。20カ国・地域(G20)で海洋プラスチックごみ(廃プラ)の対策の枠組みが決まったばかりだけにタイムリーな行動だが、直後の株式市場の反応は鈍い。環境・社会・企業統治を重んじるESG投資の中長期マネーを呼び込めるかが問われそうだ。

「この春から5~10グラム減らしたんです」。サントリーBFのブランド開発事業部の大塚匠課長はこう話す。減量したのはコーヒー系飲料などの「クラフトボス」のペットボトルのこと。環境に配慮した取り組みなのだが、同社は積極的にはアピールしてこなかった。

理由の1つが、そもそも商品が異例の人気を集めたことにある。2年前に発売したクラフトボスはコーヒー系では珍しくペットボトルを採用した。「爽快感を打ち出すことを狙った」。「ラテ」や「ブラック」など売上高で前年比1割増の商品もあるなど、累計で2700万ケースを売った。ペットボトルの減量の取り組みはこうした大ヒットの陰に隠れた。大塚氏は「今後はESG投資の観点も当然意識していきたい」と話す。

サントリーホールディングスは5月31日、ペットボトルを100%再生すると発表した。設備投資に500億円規模もかける。ペットボトルのほぼ全量がサントリーBFの商品として使われていることから、同社の環境対策への期待感は高まる。

サントリーBFの「クラフトボス」は7月から紅茶も含めて5種類になる

サントリーBFの「クラフトボス」は7月から紅茶も含めて5種類になる

ところが、同社の株価は反応しなかった。翌営業日の6月3日は4500円と横ばい。4日には年初来最安値(4425円)を更新した。野村証券の藤原悟史氏は「企業の社会的責任(CSR)が以前はやった時も、投資家はなかなかそのことに反応しなかった」と指摘する。同様の取り組みとして日清食品ホールディングスが「カップヌードル」の容器に天然由来の成分を増やすと宣言した時でも、発表当日の株価は一時前日比2%上昇。だが「UBS証券が投資判断を引き上げたことが影響したようだ」(マネックス証券の益嶋裕氏)

三菱総合研究所の新井理恵氏は「環境対策を実施するからといって、すぐにESG投資の資金を呼び込めるほどの社会にはなっていない」と指摘。「廃プラ対策などは企業がこれから事業を展開する上で必要な取り組みという位置付けだ」と話す。中長期的な投資が叫ばれるものの、依然、短期での利益を優先する傾向が垣間見える。

サントリーBFが環境対策を強化しなければならない理由は2つある。1つはペットボトルに置き換わる容器が見当たらないことだ。サントリーBFは「缶とペットボトルの製造コストはほとんど変わらない」とし、ペットボトルの方が調達面などで有利に働くという。ただ、業界ではこれまで中身が見えるペットボトルはコーヒーの見た目が敬遠されていた。サントリーはパッケージに工夫を凝らし、外見の問題をクリア。コンビニエンスストアの入れたてアイスコーヒーがペット入りで人気を集めていることもヒントになったという。缶コーヒー市場の売上本数は減少傾向にあるものの、コーヒー自体を飲む機会は減っていないため、缶の需要分をペットで取り込んでいこうとする狙いがある。飲料総研(東京・新宿)の宮下和浩氏は「ペット入りコーヒーはまだ少ないため、今後も需要が増える余地はある」と指摘する。

もう1つが海外事業だ。サントリーBFは営業利益の約6割を海外で稼ぎ出す。中でも環境規制が厳しい欧州は全体の2割を占めている。これまでに仏オランジーナ・シュウェップス・グループや、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)から「ルコゼード」や「ライビーナ」などのブランドを買収してきた。30年の売上高目標を現在の約2倍にあたる2.5兆円に引き上げる方針のなか、海外市場に力を入れることは必須だ。

ニッセイアセットマネジメントの坪井暁氏は「ESG投資を呼び込むためには、まず環境問題への取り組みを進めてから、それを外部にアピールすることが必要」と話す。今年で設立10周年を迎えたサントリーBF。グローバルな企業へとさらに成長するためには、投資家との対話が求められそうだ。

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