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中国電力、利回り「優等生」に降りかかる火山灰リスク
広島支局 田口翔一朗

中国
2019/6/14 5:30
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島根原発2号機の審査に火山灰という新たな課題が浮上した(手前が2号機、松江市)

島根原発2号機の審査に火山灰という新たな課題が浮上した(手前が2号機、松江市)

中国電力の株価の上値が重い。4月半ばまで維持していた1300円から1600円のレンジを外れ、1000円を挟んだ一進一退が続く。10年ぶりに期初に開示した2020年3月期の連結業績見通しでは、昨年7月の西日本豪雨で発生した特別損失がなくなる反動で大幅な増益を見込む。ただ、順調に進捗してきた島根原子力発電所(松江市)の審査過程に発生した「火山灰」という新たなリスクが株価に影を落としている。

中国電力は4月下旬の決算発表で今期業績見通しを10年ぶり、配当予想を7年ぶりに公表した。記者会見で清水希茂社長は「収益力をメッセージとして出すべきだとの投資家の声に応えた」と力を込めた。中国電は原発を保有する電力会社の中で唯一、東日本大震災前の配当(年50円)を維持している。配当利回りは3.6%と東証1部銘柄の単純平均(2%強)を大きく上回る。「期初に配当維持を示したのは好材料」と国内証券のアナリストは口をそろえて評価する。

中国電は中国地方の4県に12カ所の火力発電所をもち、現状、管内の発電量の8割以上を賄っている。島根原発は3基のうち1号機は廃炉に向けた作業中で、2号基、3号基と順に再稼働への準備を進めている。管内は人口減少や電力小売り自由化による競争で大幅な電力需要の拡大は見込めない。

そうしたなかで「利益確保を重視している」(清水社長)という同社にとって、原発再稼働は大きな課題だ。現状は島根原発2号機向けの安全対策工事などの先行費用がかさみ、純現金収支(フリーキャッシュフロー、FCF)は赤字が続く。市場では21年1~7月ごろに原発が再稼働できるとの観測があり、再稼働によるコスト削減効果は「年間450億円程度」(みずほ証券の新家法昌シニアアナリスト)と今期の営業利益見通し(420億円)を上回るという見方もある。前期は特損の影響もあって配当性向が150%まで跳ね上がったが、それでも年50円配を維持したのは、原発が再稼働すれば採算は改善するという読みがあったからだ。

だが、ここにきて雲行きは怪しくなっている。新たなリスクとして浮上したのが大山(鳥取県)が噴火した際の火山灰への対策だ。

原子力規制委員会は5月下旬、定例会合で関西電力に対して福井県にある3つの原発を対象に、大山の大規模噴火の影響の想定の見直しを求める方針を決めた。約8万年前の大山の噴火規模がこれまでの想定より大きかったという新たな知見に基づき、原発に積もる火山灰の厚さの想定を引き上げることを求めた。これに伴い、関電は追加工事が必要になる可能性がある。

この定例会合では「位置的関係から見ると、島根原発が影響を受ける可能性がある」と指摘があった。再稼働の準備が進む島根原発2号機では、耐震関連の計画は固まっており、他社のようにテロ対策が問題視されているわけではない。大山の火山灰については規制委が「事実認定を踏まえて審査をしていきたい」としている段階だが、新たな要素として対応が必要になる可能性はある。

実際、原発に降り積もる火山灰の厚さを最大35センチメートルと想定してきた中国電は「今後の審議結果を踏まえて、島根原発2号機の火山審査に適切に反映する」(同社)と話す。追加の工事などで審査が長引くと、再稼働時期に影響が出てくる可能性がある。これまでにも中国電は島根原発2号機の安全対策工事の完了時期を6回も見直してきた。

「これ以上再稼働時期の見通しがずれ込むと、減配の可能性が視野に入ってくる」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荻野零児シニアアナリストは、北陸電力が17年3月期の配当を37年ぶりに引き下げたことを念頭にこう話す。北陸電は当時、志賀原子力発電所(石川県志賀町)の停止が響いて5年ぶりの最終赤字に陥った。

11年の東日本大震災前まで電力株は配当による利回り株の代表格だった。震災と原発稼働停止を機にその位置づけは一変したが、中国電はそのなかで優等生の地位を保ってきた。新たに降りかかってきた「火山灰リスク」は、掲げてきた安定配当の旗印を揺るがしかねない。減配の懸念が株価の重荷になる状況はしばらく続きそうだ。

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