【製薬大手】自社開発の主力2品が業績けん引。海外収益化で先行。
発表日:2019年10月22日
アデュカヌマブ臨床第III相試験で得られた大規模データセットの新たな解析
結果に基づき、アルツハイマー病を対象とした新薬承認申請を予定
・大規模データセットの新たな解析において、早期アルツハイマー病の臨床症状悪化を抑制(事前に規定した主要評価項目および副次評価項目において)
・米国食品医薬品局(FDA)との協議に基づき、2020年の早い段階で新薬承認申請を予定
・これまでの臨床試験に登録された被験者のうち適格な方にアデュカヌマブの提供を予定
・新たな解析による良好な結果は、主として、無益性(Futility)解析時点におけるデータと比べ、大規模データセットではアデュカヌマブの高用量投与が拡大したことによる
バイオジェン(Nasdaq:BIIB、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下バイオジェン)とエーザイ株式会社(代表執行役CEO:内藤晴夫、以下エーザイ)は、本日、早期アルツハイマー病(AD)患者様を対象に臨床試験を実施したアデュカヌマブについて、バイオジェンが米国食品医薬品局(FDA)との協議に基づいて、新薬承認をめざすことを発表しました。臨床第III相試験であるEMERGE試験は、アデュカヌマブの高用量投与群がプラセボ群と比較して、統計学的に有意な臨床症状の悪化抑制を示し、主要評価項目を達成しました。また、もう一つの臨床第III相試験であるENGAGE試験は、アデュカヌマブの高用量投与を受けた被験者のサブグループにおいてEMERGE試験を支持する結果であったとバイオジェンは考えています。アデュカヌマブを投与された被験者では記憶、見当識、言語などの認知機能において顕著なベネフィットが見られました。また、金銭管理、家事(掃除、買い物、洗濯など)や単独での外出などの日常生活動作においてもベネフィットが見られました。アデュカヌマブが承認された場合、本剤は早期アルツハイマー病の臨床症状悪化を抑制する最初の治療剤となるとともに、アミロイドベータ(Aβ)の除去が臨床上のベネフィットをもたらすことを実証する世界初の薬剤となります。
今回のアデュカヌマブの承認申請の決定は、無益性(Futility)解析の結果により2019年3月に試験が中止された臨床第III相試験に関して、FDAとの相談のもと、大規模データセットを用いてバイオジェンが実施した新たな解析結果に基づきます。事前に計画された無益性解析の後に得られた追加データを含む、大規模データセットを用いた今回の新たな解析の結果、アデュカヌマブの用量依存的な脳内アミロイドの減少、および事前に規定した主要評価項目であるClinical Dementia Rating-Sum of Boxes(CDR-SB)における臨床症状悪化の抑制が示され、薬理学上および臨床上の両面で有効性を示しました。両試験におけるアデュカヌマブの安全性および忍容性は、これまでのアデュカヌマブの試験と整合性を示すものでした。
バイオジェンのCEOであるミシェル・ヴォナッソスは、「本日の発表は、世界中の数千万人もの人々に影響を与える深刻な疾患であるアルツハイマー病との闘いにおいて大きな前進をもたらすものです。これは画期的な研究の結果であり、患者様のために科学を追求し正しいことを実践するバイオジェンの確固たる決意の証です。本剤を早期アルツハイマー病の臨床症状悪化を抑制する最初の治療剤として2患者様にお届けできるとともに、今回の結果がAβを標的とする同様のアプローチに対しても示唆を与えることを期待しています」と述べています。
FDAとの協議のもと、バイオジェンは2020年の早期にBLA(生物製剤ライセンス)申請を提出する予定であり、ヨーロッパ、日本をはじめとする他の国と地域においても、各地域の規制当局と協議を進め、製造販売承認申請を行う予定です。BLA申請には臨床第I/Ib相試験および臨床第III相試験のフルデータセットが含まれる予定です。
バイオジェンは、これまでにアデュカヌマブの臨床第III相試験、臨床第Ib相(PRIME)試験の長期継続投与試験およびEVOLVE安全性試験に登録された患者様のうち適格な方に対してアデュカヌマブを提供することをめざしています。バイオジェンは、規制当局およびこれらの試験の治験責任医師とともに、この目的達成に向けて迅速に取り組んでまいります。
※以下は添付リリースを参照
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