【製薬準大手】がん領域の新薬「オプジーボ」の普及拡大で急成長。
ロイヤルティー収入が想定を上回る
小野薬品工業は31日、2022年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比10%増の830億円になる見通しだと発表した。8%増の815億円としていた従来予想から上方修正した。他社からのロイヤルティー収入が想定を上回るほか、糖尿病と慢性腎臓病の治療薬「フォシーガ」が販売を伸ばす。
営業利益は9%増の1070億円と従来予想を40億円上回る見込み。同社はオプジーボの特許使用料を巡る訴訟で京都大学の本庶佑特別教授と21年11月に和解し、関連費用を計上したが、本業の好調で吸収した。
和解では本庶氏に解決金など50億円を支払い、京大に設立された「小野薬品・本庶記念研究基金」に230億円を寄付したが、引当金を積んでおり73億円を費用計上した。
売上高にあたる売上収益は16%増の3600億円を見込み、従来予想から150億円引き上げた。オプジーボは国内では肺がんや食道がん向けで使用が増えている。欧米でオプジーボを販売する米ブリストル・マイヤーズスクイブや特許侵害訴訟で和解した米メルクなどからのロイヤルティー収入は、21%増の計1150億円に拡大する。