【奈良県唯一の地銀】県内シェア5割。大阪や京都にも積極展開。
御所まちづくりが開業するホテル(19日、奈良県御所市)
古民家の利活用事業を手掛ける御所まちづくり(奈良市)は26日、奈良県御所市内で銭湯とホテル、レストランの計4施設を開業する。徒歩圏内に点在する銭湯や古民家を一体開発。これまでは日帰りの観光客が多かったが、宿泊施設を設けて周遊性も高めることで、さらなる消費の増加を狙う。
開業に先立つ19日に報道機関向けの内覧会が開かれた。1916年創業で、2008年に廃業した銭湯「御所宝湯」が改装を経て14年ぶりに再開する。ホテルは2棟あり、レストランでは御所の野菜やカモ肉などを提供する。開発の総事業費は約3億円にのぼった。
御所まちづくりは古民家再生のNOTE奈良(奈良市)と地元酒蔵の油長酒造(御所市)、せっけんなどを製造するフェニックス(同)の3社が出資して21年8月に発足した。南都銀行は融資に加えて、ファンドを通して投資もするなど資金支援を続けてきた。
御所まちづくりの大久保泰佑社長は「古民家のある町並みを守ることが一番重要」と指摘。「上質な空間を提供するホテルなどを通して多くの観光客を呼び込みたい」と訴えた。