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「クボタと組み完全な品ぞろえに」インド社の社長語る
クボタ 世界深耕(3)

日経産業新聞
関西
住建・不動産
南西ア・オセアニア
2022/12/8 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

ニキル・ナンダ ペンシルベニア大学ウォートン校卒。1997年エスコーツ(現エスコーツクボタ)の取締役、13年同社長、18年同会長兼社長に就任、現職。父ラジャン・ナンダの跡を継ぎ社長となり、エスコーツの改革に努める。日本文化を好み、好きな日本食はサーモンのすしや刺し身、味噌汁(写真はエスコーツクボタ提供)

ニキル・ナンダ ペンシルベニア大学ウォートン校卒。1997年エスコーツ(現エスコーツクボタ)の取締役、13年同社長、18年同会長兼社長に就任、現職。父ラジャン・ナンダの跡を継ぎ社長となり、エスコーツの改革に努める。日本文化を好み、好きな日本食はサーモンのすしや刺し身、味噌汁(写真はエスコーツクボタ提供)

クボタは4月、同社として過去最多の約1400億円を投じてインドのトラクター大手エスコーツ(現エスコーツクボタ)を買収した。両社は共同で研究開発を重ね、インド国内にとどまらず、欧米向けトラクターの製造も模索する。エスコーツクボタのニキル・ナンダ社長は「インドが世界市場のハブになる」と話す。子会社化の経緯や今後の戦略を聞いた。

――2009年ごろにクボタ幹部がエスコーツを訪問しました。当時はなぜ提携まで至らなかったのでしょうか。

「理由は二つある。一つ目はエスコーツが当時、会社を再構築していたためだ。(携帯電話事業などから撤退し)現在の農業、建設、そして鉄道事業に集中するためのポートフォリオの整理に時間を取られていた」

「もう一つは(先代社長である)父とは提携への考え方が異なっていたことだ。13年に私が社長に任命されてから、将来の戦略的な地図を描き始めた」

――クボタの北尾裕一社長(当時は機械事業のトップ)に15年ごろ、提携に向けた会議をもちかける手紙を送りました。当時の市場環境を教えてください。

「社長に就任後、農業の機械化が進むインドの可能性を踏まえて、世界中の市場でどのように機械化が進み、どのような製品や技術が生まれているのかを詳細に調査した。同時にインド国内ではジョン・ディア(米ディア社のトラクターブランド)やCNHインダストリアル(欧州の農機大手)などの外資企業の製品が流入し始めていた」

「そこで我々はインド市場で将来勝ち残るために組むべき相手を探した結果、重要な技術や製品を持つ会社として、クボタにスポットライトを当てた」

エスコーツクボタのナンダ社長は「インドが世界市場のハブになる」と話す

エスコーツクボタのナンダ社長は「インドが世界市場のハブになる」と話す

――当時のクボタに対する印象は。

「1990年代にインド経済が自由化し外資企業への門戸を開いてから、多くの企業が機会を求めてインドに入ってきた。今後数年から10年程度でインド経済は世界最大になる。そのため米国や欧州、日本など他の地域の動向も注視してきた」

「インド以外の市場を見た際、米国で非常に成功しているクボタは多大なインパクトを残すブランドとして認識していた。提携前は他のどの外資企業とも同じく、クボタを競合として見ていたが、現在はワン・カンパニーだ」

――ワン・カンパニーとなったエスコーツクボタの強みは。

「エスコーツは価格競争力があり、より重量級のトラクターを提供してきた。一方でクボタはハイエンドな軽量トラクターだ。組み合わせることで価格に対して異なる考え方を持つあらゆる顧客に対して、完全な製品ポートフォリオを提案できる」

「インドは2028年までに100万台のトラクター市場に到達すると予測されており市場が巨大だ。インド周辺でもトラクターの需要は旺盛なことに加えて、興味深いことに過去10年間でインド製のトラクターが欧州や米国市場に輸出され始めた」

マルチ・スズキのバルガバ会長はエスコーツクボタの社外取締役に就任した(2019年撮影)

マルチ・スズキのバルガバ会長はエスコーツクボタの社外取締役に就任した(2019年撮影)

――なぜインド製トラクターが欧米に輸出されるのでしょうか。

「インド市場の規模が巨大だからだ。生産規模が大きいとサプライチェーンが必要になるが、過去30年でインドのサプライヤーは高い競争力と技術を身に着けてきた。(スズキ子会社でインド自動車最大手の)マルチ・スズキも強力なサプライヤーベースを築いた。インドの巨大な規模を考えると、インドは自動的に他の市場に製品を提供する世界市場のハブになる」

――マルチ・スズキのバルガバ会長がエスコーツクボタの社外取締役に就任しました。マルチ・スズキがインドで成功した理由をどのように分析しますか。

「消費者心理を理解し、良質な自動車を適正な価格で提供した。インドでは日本発の良質な製品に触れる機会がなかったため、消費者にとってもディーラーにとっても新たな体験を作り出した」

「マルチ・スズキはインドと日本のパートナーシップの偉大な成功例で、私にとっては常にモデルであり続ける。願わくば同じような成功をもたらしたいと考えており、バルガバ氏の助言を楽しみにしている」

買収効果、スピード感重要


親会社のクボタに負けじとエスコーツも業績の拡大を続けている。2022年3月期の連結売上高は723億8000万ルピー(約1200億円)と前の期比で3%伸びた。22年4~9月期には前年同期比で2割弱増えた。主力のトラクターの販売が堅調で、4月にクボタの連結子会社となって以降も着実に成長している。
ナンダ社長の経営手腕にはクボタ社内からも期待がかかる。エスコーツは1944年創業の老舗で、80年代にはヤマハ発動機と二輪車、ドイツの農機大手クラースとコンバインで合弁会社を設立するなどインドを代表する企業の一つだった。しかし90年代に携帯電話事業に参入するも苦戦を強いられ、ヤマハやクラースなどとの合弁会社の持ち分を売却する事態となった経緯がある。
名門復活を成し遂げたのが13年に社長に就任したナンダ氏だ。エスコーツの存在感低下への危機感から外部人材を積極的に採用したほか、情報開示も積極的に進めた。現在では農機と建機に鉄道事業を加えた3つの事業に絞り、選択と集中に成功している。経営手腕への期待から、クボタの専務執行役員にも就任した。
エスコーツは価格競争力が強みだ

エスコーツは価格競争力が強みだ

今後はクボタによる買収の効果をいかに素早く結果に結び付けられるかが重要になる。既に両社の技術部門のトップがインドを拠点に議論を重ねている。今後はエスコーツ製トラクターの改善に加えて、新製品の開発に踏み切る考えだ。クボタの北尾社長は「インドや欧州、アフリカなどに向けて共同開発する」と話す。
一方で製品開発の成果が出るまでは時間がかかりそうだ。「製品開発で結果を出すのは一般的に2~3年かかる」(クボタ幹部)。目に見える成果が得られなければ社内のモチベーション維持にも支障が出る。株主からも買収の是非を問われかねない。北尾社長とナンダ社長の蜜月関係を生かし、スピード感をもって開発することが求められる。
(仲井成志)
【連載「クボタ 世界深耕」記事一覧】
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