【重電大手】発電設備や上下水道システムなどインフラ中心。保守や運用などサービスに注力。
2015年に発覚した東芝の不正会計問題で株価が下落し、損害を受けたとして、香川県など中四国7県の個人株主ら30人が東芝と旧経営陣5人に計約9400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地裁(天野智子裁判長)は28日、東芝に対し、うち22人へ計約590万円を支払うよう命じた。旧経営陣に対する賠償請求は棄却した。原告側は控訴する方針。
弁護団によると、個人株主の集団訴訟は東京、大阪、高松、福岡の4地裁で起こされ判決は昨年3月の福岡に続き2件目。福岡地裁判決は、東芝が株主17人に計約1450万円を支払うよう命じ、旧経営陣への賠償請求は同様に棄却していた。
原告側は08〜14年度の有価証券報告書に虚偽記載があり、不正を知っていれば株を買わなかったと主張。天野裁判長は09、11、12年度の報告書で投資判断に影響する重要事項の「当期純損益」に虚偽記載があったと指摘し、実際の経営状況と懸け離れた高値で株を買った一部の株主の損害との因果関係を認めた。
一方で旧経営陣による不正に関し「原告側が具体的な事実を主張しているとは言えない」として賠償責任を否定した。
東芝は「多大なご迷惑をおかけした。判決内容を精査し適切な対応を講じる」とコメントした。
東芝はインフラや半導体、パソコンなどの事業で損失の計上を先送りするなどして不正に利益を計上した。問題の発覚を受け、15年7月に当時の田中久雄社長ら歴代3社長が引責辞任した。〔共同〕