【国内1位】医療用医薬品に集中。がん領域の新薬開発に注力。
武田薬品工業は6月29日、定時株主総会を開いた(写真はクリストフ・ウェバー社長兼CEO)
武田薬品工業が開示した有価証券報告書によると、クリストフ・ウェバー社長兼最高経営責任者(CEO)の2021年度の役員報酬は18億5800万円だった。20年度と比べ、1600万円減った。
内訳は基本報酬が2億3500万円、業績連動報酬などとして賞与が2億3300万円、業績連動株式報酬として8億6500万円。他に、譲渡制限付き株式報酬が3億9900万円。加えて、米国事業を統括する武田ファーマシューティカルズUSAの報酬が含まれる。
業績連動報酬は、業績指標の目標達成率などから算出する。有価証券報告書によると3年間のフリーキャッシュフロー(純現金収支)や売上収益の指標は目標を達成したものの、実質的なコア営業利益率は目標に届かなかった。また、株価上昇率などから算出するTSR(株主総利回り)はマイナス20%であることも明らかにした。
29日に大阪市内で開かれた定時株主総会に参加した60代の男性は、「役員報酬よりも、もっと研究開発にお金を回してほしい」と語った。総会中に別の株主は「株価が4000円を割り込み、低い水準にあるのではないか」と質問した。ウェバー社長は「今年1月以降は勢いも出ており、(大型買収後の)統合作業も順調に進んでいる」と述べた。