【航空大手】国内線、アジア近距離路線に強み。国際線を拡大。
ピーチは過去最大の最終赤字を計上した
ANAホールディングス傘下の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)が30日までに発表した2022年3月期の単独決算は、最終損益が535億円の赤字(前の期は295億円の赤字)だった。最終赤字は4期連続。旅客需要は前の期から回復したものの、航空機の更新などに伴うコストが増え過去最大の最終赤字となった。
売上高にあたる営業収入は前の期比77%増の386億円だった。旅客数は427万人と前の期の約2倍となり、20年3月期の6割の水準まで戻った。
一方で営業損益は398億円の赤字(同359億円の赤字)と前の期から悪化した。機材の入れ替えに伴うリース代などが増えたほか、原油高と円安で燃料費も膨らんだ。
新型コロナウイルス禍の長期化で、旅客需要は先行きの不透明感がなお強いことを受け、繰り延べ税金資産を取り崩した。法人税等調整額として142億円を計上し、税金関連費用が増えたことも最終赤字の拡大につながった。
前期末時点の債務超過額は727億円(前の期末は214億円)となった。23年3月期は一段の需要回復を想定し、最終黒字への転換を目指す。