【航空大手】10年1月に破綻後、市場にスピード復帰。路線別採算管理を徹底。
全日本空輸(ANA)は1日、成田―ホノルル線で欧州エアバスの超大型機「A380」の運航を再開した。定期便での本格的な運航再開は2年4カ月ぶり。渡航制限の緩和が進むなか、観光需要の回復に対応する。日本航空(JAL)も7月から羽田ーホノルル線を毎日運航するなど、国際線の回復に向けた動きが広がっている。
エアバスA380の再就航記念セレモニーであいさつするANAの井上慎一社長(1日、成田空港)
7月1日から10月29日までは成田発のホノルル便を金曜日と土曜日に週2往復運航させる。月曜~木曜と日曜に週5往復運航する羽田発と合わせ、東京圏から毎日ハワイと行き来ができる体制を整える。
1日、成田空港で開かれた再就航記念セレモニーで井上慎一社長は「ホノルル線はゴールデンウイーク(GW)から予約数が積み上がっている」と強調。「旅行需要が新型コロナウイルス感染拡大前の姿に戻るきっかけにしたい」と話した。7月のホノルル線の予約数は前年同月比6倍に伸びているという。再開の第1便は414人が搭乗し、搭乗率は8割だった。
2年4カ月ぶりに定期便としてホノルルに向かうANAのエアバスA380に乗り込む人たち(1日、成田空港)
再就航したANAのA380型機は500席を超える大型の機材。ハワイにちなんだウミガメのデザインを施し「FLYING HONU(フライングホヌ)」の愛称で呼ばれる。成田―ホノルル線は新型コロナの感染拡大を受け、2020年3月を最後に定期便の運航を停止していた。
3年ぶりのハワイ旅行だという東京都の男性会社員(40代)は「ハワイならではの食事や自然を楽しんでコロナ疲れをリフレッシュさせたい」と笑顔を見せた。一方、「想定以上に円安が進んだのでお土産などの買い物は控える」と語った。