【製薬大手】免疫抑制剤や抗がん剤に強み。産学連携も加速。
アステラスの本社写真
アステラス製薬は28日、米バイオ企業のストロ・バイオファーマとがん患者向けの治療薬の研究開発や臨床試験を進めると発表した。アステラスは2023年3月期中に契約一時金として、ストロ社に9000万ドル(約120億円)を支払うという。
がん細胞を狙う抗体と薬剤をくっつけた「抗体薬物複合体(ADC)」に、さらに免疫活動を活発にさせる「免疫賦活剤」を組み合わせた「iADC」と呼ばれる新しい技術を使った治療薬の開発を急ぐ。
抗がん剤と免疫賦活剤を組み合わせることでより治療の効果を高められ、ストロはiADCの分野で独自技術を持つ。ストロが新薬候補となる化合物を特定し、アステラスが臨床開発などを実施し、治療薬につなげる。
一時金以外に開発や商業化などの進捗に応じたマイルストーン報酬として、アステラスが今後、4億2250万ドルを支払う可能性がある。既存薬が効きづらい患者に対し新たな治療法となることを目指しており、がん領域にも力を入れる。