【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
ヤマハ発動機は国内外の工場でCO2排出を減らす(フィリピンの二輪車生産ライン)
ヤマハ発動機は28日、2035年に世界の自社工場で二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにする目標を発表した。50年に工場でのCO2排出ゼロを目指す目標を21年に公表したが、脱炭素への取り組みが製造業で進むなか目標達成を15年前倒しする。
工場でCO2排出の多くを占める鋳造や塗装の工程で、CO2を排出しない水素を燃料として使ったり、廃熱を再利用したりする。化石燃料から電気に置き換えを進め、エネルギー全体の3割以上を自社の太陽光発電でまかなう。
外部から調達する電力も水力発電などの再生可能エネルギー由来のものを取り入れる。電気への置き換えが難しく、CO2を排出する生産設備は排出枠取引や植林で相殺する。
自動車産業では車両からの排出量を減らすだけでなく、工場からの排出を減らしてライフサイクル全体での削減を目指す動きが広がっている。トヨタが21年、従来は50年としていた世界の工場でのCO2排出量をゼロにする時期を35年に前倒ししたほか、マツダも6月に35年の工場CO2排出ゼロを掲げている。