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劣後債は買いか ソフトバンクG・楽天…発行相次ぐ

日経ビジネス
コラム
ネット・IT
2021/5/31 2:00
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日経ビジネス電子版

ソフトバンクグループ(SBG)は19日、個人向け社債を2年ぶりに発行すると発表した。劣後債で、発行額は4050億円、年限は35年、利率は当初5年固定で、5年後以降に変動する。利率の仮条件は2.45~3.05%となっている。

劣後債の発行額の推移(四半期ベース、アイ・エヌ情報センター調べ)

劣後債の発行額の推移(四半期ベース、アイ・エヌ情報センター調べ)

SBGの個人向け社債は利率が高く、個人投資家の間では人気の運用商品だ。4050億円と発行規模が比較的大きいのも、個人からの引き合いは強いと踏んでいるからだろう。機関投資家向けの発行が多い劣後債を、早くから個人向けに発行している点も大きな特徴といえる。SBGは2016年にも個人向けに劣後債を発行している。今回発行する劣後債による調達資金の使途は、16年に発行したものの借り換えなどに充てられる。

劣後債とは、普通の社債より元本および利息の支払い順位が低いために、その分、利率が通常よりも高い債券のこと。償還までの期間は長く、30年超の長期債や永久債なども少なくない。もっとも「期限前償還条項」という、発行時に決められた最初のタイミングで、発行体の企業が元本を返してしまう権利(ファーストコール)が付いているケースがほとんどだ。ファーストコールは5年目の利払い日に設定されているものが多いが、7年目や10年目の利払い日に定めるものもある。

国内で発行された劣後債は今のところ、ほぼファーストコールで償還されていることから「長期債だが実態は期間5~10年程度の債券」(生保運用担当者)と捉える投資家も多いようだ。ただし、償還を先送りできる権利は発行企業にある。発行企業が資金繰りに窮したり、市場環境に変化が起こったりするなどの変化があれば、期日前償還をやめる可能性が出てくるだろう。投資家にとってはより条件の良い投資先に乗り換える機会を失ったり、換金できないリスクに見舞われたりすることとなる。

なぜSBGは個人向け社債を普通社債ではなく劣後債で発行するのだろうか。

それは劣後債の性質が関係している。劣後債はその一部を資本に算入できる。発行企業にとっては、負債を増やし財務を悪化させることによる格下げを防ぎながら資金調達できるメリットがある。株式発行・増資といったエクイティファイナンスと比べても優位性は高い。1株当たりの価値が希薄化するといったことがないため、株価下落のリスクも抑えられる。

通常の社債より利率が高いため調達コストはかさむものの、現在は未曽有の低金利環境。社債利回りは全般的に低下しており、少しでも高い利回りを提示した方が投資家の引き合いは強い。現在は劣後債発行のコストよりもメリットの方が上回っている。

投資家側のメリットも大きい

企業の劣後債発行は20年7月以降、大幅に増えている。金融情報サービスのアイ・エヌ情報センター(東京・千代田)のデータでは、事業会社の劣後債発行額は、20年7~9月と10~12月、ともに1兆円を超えた。21年に入っても、前年同期と比べて高い水準での発行が続いている。コロナ禍で先行き不透明な事業環境の中でも一定の成長を遂げるために、企業は資本を厚く保ちながらも成長資金を確保できる劣後債に注目しているのだろう。最近ではオリックス楽天グループ商船三井三菱UFJフィナンシャル・グループと、幅広い業種で劣後債の発行が相次いでいる。

投資家にとってもメリットは大きい。低金利の長期化で運用難の中、相対的に利回りの高い劣後債は数少ない高利回りの投資先だ。「現在の劣後債の発行環境は発行体にとっても投資家にとっても『ウィン・ウィン』の状態」と大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは話す。

期日前償還の不確実性という劣後債のリスクをきちんと理解した上で購入すれば、劣後債は機関投資家のみならず個人投資家にとっても良い運用先といえるだろう。「日本において劣後債の歴史はまだ浅く、本格的に発行され始めたのは5~6年前くらいからだ。期日前償還という慣行はあるものの、今後も必ずそうなるとは限らない」(大橋氏)

発行条件には、ファーストコールに償還されなかった場合の条件なども記載されている。償還されないとその後の金利が上昇したり、劣後債の資本性が認定されなくなったりと、条件が悪化する場合が多い。企業に期日前償還を実施するインセンティブがどの程度あるのか、こうした条件をきちんと確認した上で購入する必要があるだろう。

(日経ビジネス 武田安恵)

[日経ビジネス電子版 2021年5月26日の記事を再構成]

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