【国内1位】医療用医薬品に集中。がん領域の新薬開発に注力。
想定為替レートを1ドル=119円から132円に見直した
武田薬品工業は27日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比33%増の3070億円になる見通しと発表した。従来予想から150億円上方修正した。主力の潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」の販売が米国を中心に伸びているほか、為替の円安も利益を押し上げる。
売上高にあたる売上収益は10%増の3兆9300億円を見込む。想定為替レートを期初見通しの1ドル=119円から同132円に見直し、従来予想を2400億円上方修正した。円安効果に加え、エンティビオの販売が米国や欧州、ブラジルなどで伸びる。新型コロナウイルス禍からの回復により診断数が増加し、血漿(けっしょう)分画製剤事業も堅調に推移する。
クリストフ・ウェバー社長兼最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に対し、「円安の追い風はあったが、成長戦略が軌道に乗っている」と述べた。フリーキャッシュフロー(純現金収支)は円安を加味することなどで約6500億~7500億円を計画する。他社のバイオ後続品の投入が遅れており、エンティビオのピーク売上高は75億~90億ドル(従来予想は55億~65億ドル)に引き上げた。
同日発表した22年4~9月期連結決算は、純利益が前年同期比9%減の1667億円だった。前期に計上した糖尿病薬事業の売却収入がなくなった。主力薬が堅調なことから、売上収益は10%増の1兆9747億円だった。
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