【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
65センチメートル垂直に屋根が高くなる(25日、 横浜市西区の展示会場)
旭化成は25日、自社開発素材などを採用した次世代コンセプトカー「AKXY2(アクシーツー)」を報道陣に公開した。車の上部を全面透明な樹脂の天蓋(キャノピー)で覆い、車体外部のボタンを押すとおよそ18秒かけて65センチメートルほど垂直開閉する。運転席は設けず、人間が一切関わらない自動運転の「レベル5」を見据える。
2人がゆったり座れるソファ風のシートをもうけ、電気自動車(EV)での採用を念頭に自動車メーカーへ提案する。天蓋を開くと、人が乗り降りする足場も出てくる。天蓋を開いた状態では、車高が144センチメートルから209センチメートルの高さになる。全長は430センチメートル、横幅は184センチメートルで、展示車の大きさはおおよそトヨタのプリウスに近い。
計17の自社開発素材や出資先の会社のシステムを採用した。ドアの開閉システムは同社コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)室を通じて出資するウルトラセンスシステムズ(米カリフォルニア州)が手がけた。温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)由来で試作した塗料向け添加剤を車体に使うなど、環境に配慮した設計とした。
旭化成がコンセプトカーを公開するのは3回目。同社は「車は移動手段ではなく、過ごす場所としての居住設計が重要になる」(モビリティ戦略推進室)とみる。コンセプトカーは走行できないものの、タイヤなども旭化成の素材を使っている。