【国内1位】医療用医薬品に集中。がん領域の新薬開発に注力。
ウエアラブル端末を使って心拍数などのデータを集める
東北大学が運営する東北メディカル・メガバンク機構などは23日、ウエアラブル端末で生活習慣データを集める共同研究を始めたと発表した。今秋にも2000人を目標に参加者の募集を始める。睡眠などの生活習慣や血圧といった健康状態の関連性を分析する。
研究は同機構と第一三共、武田薬品工業、医療スタートアップのMICIN(マイシン、東京・千代田)の共同事業。研究期間は2025年3月まで。同機構が13年以降実施してきたコホート(集団)調査の一部参加者を対象に、新たに同意を得て実施する。
参加者には米フィットビット製のスマートウオッチを貸し出し、1年間身に着けて過ごしてもらう。端末のセンサーで睡眠時間や心拍数、活動量などのデータを集め、集中的に血圧を測る期間も設ける。寝室の温度や湿度といった住環境も調べる。
参加者はアプリで自身のデータを見られるほか、1年後に統計解析値のフィードバックを受ける。集めたデータはマイシンのサーバーで保管する。これまで生活習慣の情報は参加者が調査票に書く方式が主流で、客観的な情報を得るのが難しかった。ウエアラブル端末を使うことで精度を高める。
第一三共や武田は生活習慣病の治療薬を開発してきた知見から、データを創薬に生かす方法などを検討する。データ分析では同機構がコホート調査で蓄積したDNAや血液などの試料データや生活習慣の情報とも組み合わせる。
東北メディカル・メガバンク機構と日本製薬工業協会、マイシンは20年から21年にかけて、パイロット研究としてウエアラブル端末による生活習慣データの収集を約30人で実施した。実効性を確認できたため、対象者を広げて本格的に研究する。