【トヨタ系】水平対向エンジンと四輪駆動技術が特徴。米市場が主力。
ヤマハ発動機は21日、2023年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発中の航空機向けにモーターを納入すると明らかにした。内燃機関と電動モーターを併用するハイブリッド(HV)の航空機に搭載する。同年中にIHI子会社にも船舶用のモーターを納める。これまで陸上の乗り物を中心に電動化が進んできたが、空や海のモビリティーにも広がってきた。
ヤマハ発の日高祥博社長が同日開いた記者会見で明かした。世界の航空輸送量は今後20年間で2倍以上に増加する見通し。JAXAは二酸化炭素(CO2)の排出を抑えられるHV航空機に搭載する推進モーターとして、ヤマハ発の試作品を採用するという。
港湾の脱炭素も課題だ。IHI原動機(東京・千代田)はタンカーの接岸に用いる電動ボートを開発中で、推進装置としてヤマハ発のモーターを採用する。ヤマハ発の日高社長は「あらゆる分野で電動化が進んでおり、まずは試作品の開発を受託し、量産時の受注を目指す」と話す。
ヤマハ発は内燃機関で培った鋳造や加工の技術を応用した高出力のモーターを手がけている。20年からは、電動車開発を加速したい自動車メーカーなどからモーターの試作開発の受託を始めた。これまでにSUBARU(スバル)傘下のモータースポーツ統括会社が採用し、レース用電気自動車(EV)のコンセプト車「STI E-RA CONCEPT」に搭載している。
ヤマハ発の記者会見では12月中に同社の全従業員1万1千人にインフレ手当として一律5万円を支給する方針も示した。同社は4月以降の賃上げを検討しているが、足元の物価高を踏まえて当面の負担を和らげるため支給を決めた。
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