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ホンダと日産、EV電池「第2の人生」 発電所で利用も

CBインサイツ
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科学&新技術
2023/3/3 2:00
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日産とイタリア電力大手エネルは使用済み電池をスペインにある従来型発電所のバックアップ電源に活用している。万が一の際、15分間電気を供給する=エネルのスペイン子会社のエンデサ提供(©Giovanni Della Checa)

日産とイタリア電力大手エネルは使用済み電池をスペインにある従来型発電所のバックアップ電源に活用している。万が一の際、15分間電気を供給する=エネルのスペイン子会社のエンデサ提供(©Giovanni Della Checa)

CBINSIGHTS

電気自動車(EV)の販売台数が増加する中、注目を集めているのが、使用済み電池の活用だ。大手自動車メーカーが乗り出しており、ホンダは電池からレアメタル(希少金属)を回収してリサイクル(再資源化)する会社に出資した。日産自動車は車両以外にリユース(再利用)する会社を共同で運営する。両社のEV電池の「第2の人生」の取り組みについてCBインサイツがまとめた。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

需要の増加に対応し、自動車メーカー各社はEVの生産を拡大している。世界各国の政府も温暖化ガス排出量を削減するためにガソリン車の段階的廃止に取り組んでおり、EV販売台数の増加につながっている。例えば、2022年のEV販売台数は前年比57%増えた。

こうした状況を受け、重要な原料を含み、残留充電能力が平均80%もある使用済み車載電池がだぶつく事態になりつつある。

自動車メーカー各社はこのプロセスをより持続可能にしたいと考えている。そこで原材料を抽出して再利用したり(例:電池のリサイクル)、使用済み電池の全く新たな用途を見つけたりする機会に注目している。

企業幹部、電池のリサイクルと再利用に注目
(決算説明会で「電池」に加えて「リサイクル」または「セカンドライフ(再利用)」について言及した回数)

企業幹部、電池のリサイクルと再利用に注目 (決算説明会で「電池」に加えて「リサイクル」または「セカンドライフ(再利用)」について言及した回数)

電池をリサイクルすれば、車載電池の製造に必要な原材料の調達という問題にも対処できる。電池の循環型経済を実現する新たなビジネスモデルはまだ発展し始めたばかりの段階だが、広がりつつある。電池のリサイクルや再利用を手掛けるスタートアップによる22年の資金調達額は10億ドルに達し、19年の25倍以上に増えた。

今回のリポートでは、ホンダと日産自動車による車載電池のリサイクル・再利用分野での活動について取り上げる。両社はEV製造時の温暖化ガス排出量を削減しつつ、新たな商機をつかもうとしている。

ホンダと日産は車載電池のバリューチェーンをどう再構築しているのか

ホンダ

ホンダは最近、EVやハイブリッド車の持続可能性を確保するため、複数の電池リサイクル企業との提携や出資を発表した。廃棄物を減らし、車載電池に必要な金属を安定供給するために、後期や初期の段階のスタートアップと組んでいる。

米アセンド・エレメンツ(Ascend Elements)

関係:提携

ホンダの米国法人アメリカン・ホンダ・モーター・カンパニーと電池リサイクル企業アセンド・エレメンツ(旧バッテリー・リソーシズ)は21年6月、ホンダ製EVの使用済みリチウムイオン電池をリサイクルするために提携した。この合意にはアセンド・エレメンツによる電池の分解とリサイクルが含まれ、廃棄物の削減とサステナビリティー(持続可能性)の推進を目標に掲げている。これはホンダが40年までに世界の自動車販売を全てEVか燃料電池車(FCV)にする取り組みの一環だ。(日本語版編集部注:23年2月27日にはホンダとアセンド・エレメンツは直接提携している)

エマルションフローテクノロジーズ(日本)

関係:出資

ホンダは22年9月、電池リサイクルのスタートアップ、エマルションフローテクノロジーズ(EFT、茨城県東海村)のシリーズAの資金調達ラウンド(調達額310万ドル)に参加した。EFTは物質を分離して精製する溶媒抽出技術を開発している。この方法を使って使用済み車載電池からレアメタルを抽出してリサイクルし、コストを削減しつつ高品質の電池材料を生産する。

エマルションフローテクノロジーズは低コストで環境負荷の低いレアメタル回収技術を手掛ける

エマルションフローテクノロジーズは低コストで環境負荷の低いレアメタル回収技術を手掛ける

日産自動車

日産は最近、様々な業界にまたがる電池再利用の提携を発表している。廃棄物を削減しながら安定した新たなエネルギーシステムを顧客に提供するため、「セカンドライフバッテリー(車載電池の再利用)」に着目している。

フォーアールエナジー(日本)

関係:共同出資事業

フォーアールエナジー(横浜市)は寿命を迎えた車載電池の再利用策を開発する企業だ。日産と住友商事が共同出資で設立した。日産は18年、EVを移動以外の用途の電源として活用できることを実証するため、プロジェクト「ブルー・スイッチ」を発表した。フォーアールエナジーは同年、福島県浪江町に車載電池の再利用とリサイクルに特化した新工場を開設した。

さらに、日産とフォーアールエナジーは使用済み電池を蓄電やEV充電器の充電速度向上に活用するため、米グリーン・チャージ・ネットワークス(Green Charge Networks)と提携している。

再生のために電池を1パックずつ検査している(フォーアールの福島県浪江町の電池再生工場)

再生のために電池を1パックずつ検査している(フォーアールの福島県浪江町の電池再生工場)

エネル(イタリア電力大手)

関係:提携

日産とエネルは22年3月、EV「リーフ」の使用済み電池をスペインのメリリャにある従来型発電所のエネルギー源として使う車載電池の再利用プロジェクトで提携した。このプロジェクトではこれまでにメリリャの発電所に出力4メガワット(MW)、容量1.7メガワット時(MWh)のバックアップ蓄電システムを構築しており、今後さらに拡張する。このシステムでは使用済み車載電池を蓄電システムや定置型電源などに転用し、利用を最適化している。

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