【航空大手】国内線、アジア近距離路線に強み。国際線を拡大。
ANAホールディングスの定時株主総会
ANAホールディングス(HD)の芝田浩二社長は20日に開いた定時株主総会で、2023年3月期まで4期連続の無配とすることについて、「手元流動性を確保し、財務基盤を回復させることが安定的で長期的な企業価値の向上につながる」と理解を求めた。
株主からの事前の質問で、「赤字でも配当している会社もある」との指摘もあった。芝田氏は「株主の皆様には深くおわび申し上げる」とし、「可能な限り早期に復配できるよう、構造改革を着実に遂行し収支改善に努める」と述べた。
同社は今期、連結最終損益は210億円の黒字(前期は1436億円の赤字)と3期ぶりの黒字を見込む。だが国際線を中心に需要の回復ペースが不透明で、財務健全性の確保を優先する。
横浜市在住の60代の女性株主は「黒字化を最優先に進めて、配当を出せるようになってほしい」と話した。
総会では株主から、脱炭素に向けた再生航空燃料(SAF)の普及への取り組みを聞く質問も出た。事業会社の全日本空輸(ANA)の井上慎一社長は「官民の協議会で国土交通省や経済産業省、石油元売り事業者などとの取り組みが始まっている。産業横断的な取り組みを進めていきたい」と説明した。