【総合電機首位】技術力に定評。事業入れ替えで構造改革推進。
日立は鉄道のデジタル技術を強化している©Thales Ground Transportation Systems
日立製作所は16日、インドで鉄道のデジタル信号システムを受注したと発表した。受注額は162億ルピー(約260億円)。列車の無人運転に向け、最先端の無線式の列車制御システムと自動で列車を運転する装置を納入する。
鉄道子会社の日立レールが、インドで建設が進む鉄道路線「チェンナイメトロ」の2期工事向けに納入する。路線の総延長は119キロメートル。国際協力機構(JICA)が円借款の資金を提供し、2027年の完成を予定する。列車の最適な速度を常時計算し、90秒間隔で運行できるようになる。発車や停止、ドアの開閉、運行情報の表示システムの操作も自動化される。
日立の22年3月期の鉄道事業の売上高は6283億円。鉄道関連のデジタル技術を強化しており、15年に信号システムなどのノウハウを持つイタリアのアンサルドSTSを買収。21年には運行管理や人流解析に強みを持つ仏タレスの鉄道信号事業の買収を決めた。