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Jパワー、脱炭素の逆風 石炭火力新設を断念

カーボンゼロ
2021/4/16 17:51 (2021/4/16 22:10更新)
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Jパワーの松島火力発電所(長崎県西海市)

Jパワーの松島火力発電所(長崎県西海市)

石炭火力国内最大手のJパワーは16日、山口県宇部市で計画していた石炭火力発電所の建設を断念すると正式発表した。脱炭素の流れで規制が強まり、投資効果を得られないと判断した。同社は国内総発電量の3割超を非効率な石炭火力で賄う。規制強化のスピードが速まるなか、石炭依存の経営から脱却を急ぐ。

「今回は採算性を踏まえ建設を断念した。既設の火力発電所を活用し、なるべくコストを掛けずに二酸化炭素(CO2)を減らしていく努力をする」。Jパワーの菅野等取締役は16日の記者会見でこう語った。

建設をやめるのは宇部市で計画していた60万キロワットの発電所2基。宇部興産大阪ガスと3社で建設する予定だった。2019年4月に大阪ガスが投資を回収できないと判断して撤退。Jパワーと宇部興産は発電所を1基に減らし、最新の環境設備を導入するなどの対応で計画を続けられないか検討してきた。

建設を断念した決め手は規制の強化だ。政府は非効率な石炭火力を30年までに休廃止する方針。経済産業省は非効率な石炭火力の縮小に向け、発電事業者などに発電効率を43%にするよう求める新基準を設ける。電力会社で構成する電気事業連合会は「43%は非常に高い目標だ」との認識を示す。

石炭火力発電所は全国に約150基ある。経産省の集計では大手電力の発電所のうち19年度時点で40%以上は31基、43%以上は2基しかなかった。石炭火力発電所の効率を高めるには新設にしろ、既設にしろ、巨額の投資が必要になる。

火力発電の場合、一般的に投資回収には完成から少なくとも20年以上かかる。今後、脱炭素関連の規制もさらに厳しくなっていく可能性がある。Jパワーの菅野取締役は会見で「石炭火力への批判は国際的な流れであり、(建設断念の)判断のベースになった」と話した。

記者会見するJパワーの菅野等取締役(16日午後、東京都千代田区)

記者会見するJパワーの菅野等取締役(16日午後、東京都千代田区)

Jパワーは全国7カ所に計14基の自前の石炭火力発電所を持つ。国内総発電量の8割を石炭火力が占め、そのうち4割が非効率な石炭火力となる。「脱石炭」を経営の最重要課題とみて、2月に50年のCO2排出実質ゼロに向けた工程表を公表した。

具体的には石炭ガス化により発生した水素を回収し、ガスタービンや燃料電池などで発電する設備を導入する。オーストラリアで褐炭から水素を製造する事業にも取り組む。30年のCO2排出量を17~19年度の平均値と比べ40%削減する計画だ。16日には既設の松島火力発電所2号機(長崎県西海市)に新たにガス化設備を付加し、バイオマスやアンモニアを混焼することでCO2を削減することも発表した。

経産省によると、20年6月時点の石炭火力の新設、建て替え計画は17基ある。Jパワーの断念により、国内の石炭火力で未着工の新案件は1つだけになる。関西電力子会社の関電エネルギーソリューション(大阪市)と丸紅の秋田県での計画だ。15年に計画を公表し、3000億円超を投じて24年に運転を始める予定だったが、環境対策費が膨らむことなどを理由に着工を見送り、今も工事を始めていない。

石炭だけでは環境規制に耐えられないとみて、木質チップを混ぜるバイオマスなどで規制をクリアできないか検討を重ねている。丸紅は石炭火力の新規開発から原則撤退する方針を掲げている。規制と投資の最適なバランスを見つけられなければ、計画は宙に浮いたまま、実現可能性は低くなっていく。

脱石炭火力は世界的な潮流だ。フランスは22年、産炭国のドイツも38年と、年限を区切って石炭火力を全廃する方針を示している。米国ではバイデン政権が35年までに電力部門を脱炭素化する方針を掲げる。石炭火力にはESG(環境・社会・企業統治)の観点から金融機関も厳しい目を向ける。

一方、日本は19年度の国内発電量のうち石炭火力が32%を占め、37%のLNGに次いで2番目に多い。石炭を一気に廃止すると地域の電力需給が崩れるとの見方もある。日本各地で拡大する太陽光や風力は発電量が安定しておらず、大手電力は火力発電所の稼働を調整することで需給を一致させてきた。石炭廃止で需給が安定しなくなった場合、大規模停電のリスクが高まる可能性がある。

原子力発電所の再稼働がなかなか進まない中で、一定程度の石炭火力は必要とみて高効率のものは稼働を認めざるを得ないというのが日本の現状だ。「50年の温暖化ガス排出実質ゼロ」という菅義偉政権の目標に向け、具体的にいつ、どのように電源構成を組み替えるか。目標達成には具体的な行程表が欠かせない。

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