【国内1位】医療用医薬品に集中。がん領域の新薬開発に注力。
武田薬品工業は次世代がん治療分野を強化している
武田薬品工業は10日、英国で次世代がん治療薬の研究開発を進めるスタートアップを買収すると発表した。買収額は非開示。人間の体内の免疫細胞の一種を使い、固形がんなどを効果的に攻撃する技術を取り込む。注力するがん領域で新興勢の買収を矢継ぎ早に進めており、新技術を獲得して開発品の充実を目指す。
買収するのはアダプテート・バイオセラピューティクス。体内の免疫細胞の一種とされる「ガンマデルタT細胞」を使う創薬技術に定評がある。がん細胞のみを効果的に攻撃し、健康な細胞を傷つけないよう設計することができるため、安全性や有効性の高さが見込まれる。
今回の買収で人へ投与する臨床試験(治験)の前段階のプログラムを獲得する予定。2022年6月までに買収を完了し、その後は武田の研究開発部門と統合する。
武田は21年にガンマデルタ・セラピューティクス(英ロンドン)の買収を発表。ガンマデルタT細胞など免疫細胞に注目した次世代がん技術を強化している。今回の案件も含めて獲得した抗がん剤技術を展開し、新たな薬の開発につなげる。