【東海道新幹線】好採算の新幹線が収益源。グループで新事業展開。
ゴールデンウイーク終盤、利用客で混雑する東北新幹線のホーム(7日、JR東京駅)=共同
JR東日本などJR旅客6社は9日、ゴールデンウイーク(GW)の期間を含む4月28日~5月8日の新幹線や特急指定席などの輸送人員が計約907万人で、2021年の同期比で約2.5倍になったと発表した。新型コロナウイルス禍以降、3年ぶりに行動制限などがないGWとなり、旅行や帰省による利用が増えた。ただコロナ禍前の18年に比べると75%の水準にとどまり、本格的な回復には至らなかった。
JR東では期間中の利用者が297万1千人と、前年同期比217%だった。1日あたりのピークは下り方面が20万6千人(5月3日)、上り方面が23万4千人(5月5日)だった。東北新幹線で前年同期比215%になるなど新幹線利用が伸びた。近距離でも、東京駅の利用者数が同224%になるなど回復傾向がみられた。
JR東海の期間中の利用者は前年同期比271%となる323万7千人。東海道新幹線の利用が同274%となり、「(同新幹線の利用が)大きく押し上げた」(JR東海)と分析する。JR西日本では山陽新幹線の利用者が132万4千人(同285%)、在来線特急が同293%となった。
ただ各社とも新型コロナ前の水準までは、回復しきれていない。急行列車を含めた利用者数をみると、JR東は18年同期比で69%にとどまった。JR西は同75%。6社の中で最も回復率が高かったJR東海も同84%だった。JR東の熊谷英治運輸車両部次長は「各地から首都圏に来る人の動きが鈍かった。今年は日取りもよかったため、もう少し乗ってもらえればとの思いもある」と述べた。