【上位総合商社】住友グループの中核企業。金属取引、自動車などに実績。
中国電力とJパワーによる石炭ガス化複合発電(IGCC)の実証機
Jパワーは8日、オーストラリアで石炭から水素をつくる検討を始めたと発表した。2030年までに南東部ラトロブバレーに製造プラントを建て、周辺で産出する低品位の「褐炭」から水素を取り出す計画。事業の採算や供給先などを見極めて20年代半ばに投資判断をする。
年間で3万〜4万トンの水素生産を目指す。褐炭70万トンを蒸し焼きにすると、水素を約4万トンつくれる。豪州でメタノールや肥料生産向けなどに供給したい考え。副産物の二酸化炭素(CO2)は分離・回収して豪州内で地下に貯留する方針。投資規模は明らかにしていない。
Jパワーは住友商事と、水素の供給先やCO2を地下貯留する地点を探す。水素を液化して日本に運ぶことも検討する。
褐炭は高品位の歴青炭などと比べて水分量が多く安価に調達できる。Jパワーは発電用燃料として石炭から水素を取り出す技術を開発済み。ラトロブバレーでも褐炭から水素を製造する実証設備を運営し、高純度の水素を安定生産するメドをつけた。