【元売り大手】昭和シェルと経営統合。有機EL材料などにも強み
記者会見する出光興産の木藤社長(8日、東京・千代田)
出光興産は8日、2023年3月期の連結純利益が前期比16%増の3250億円になりそうだと発表した。従来予想から450億円上方修正し、2期連続で最高益を更新する見通し。世界的な需要増を受けて発電用石炭(一般炭)の価格が上がっており、同社がオーストラリアで持つ石炭鉱山事業に追い風となる。
豪州発電用石炭スポット価格の22年1~12月平均は1トン当たり約310ドルと予想していたが、ロシアのウクライナ侵攻などを受け上昇基調が続いているため約348ドルに引き上げた。円安も増益要因となる。木藤俊一社長は記者会見で「収益水準は好調だが、外部環境の変化による一時的なものだ」と表情を引き締めた。
23年3月期の売上高は37%増の9兆1700億円になるとみている。原油価格が予想より下がってきたことから、従来から900億円下方修正した。
同日発表した22年4~9月期の連結決算は売上高が前年同期比68%増の4兆8140億円、純利益が97%増の2807億円だった。新型コロナウイルス禍による行動制限が前年より緩まったことを受け、燃料需要が堅調だった。
同社は16日、24年3月期~26年3月期の中期経営計画を発表する。自社操業に伴う二酸化炭素排出量を50年までに実質ゼロにする目標を掲げており、廃プラスチックの再利用や、燃やしても二酸化炭素を出さない特徴があるアンモニアの活用など環境対応を強調した内容になる見通しだ。
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