【航空大手】高内線、アジア近距離路線に強み。国際線を拡大。
5日の東京株式市場でANAホールディングス(HD)株が続落し、一時前日比38円50銭(1%)安の2738円と約3カ月ぶりの安値をつけた。前日に岸田文雄首相が、中国からの渡航者を対象にした新型コロナウイルスの水際対策を8日から強化すると表明。訪日客の旅行に伴う移動需要の回復が遅れるとの懸念から売られた。
終値は同34円(1%)安の2742円50銭で、日経平均株価が反発する中で逆行安となった。同日は日本航空(JAL)も1%安、スカイマークは3%安だった。国内投信の担当者は「バリュー(割安)株からグロース(成長)株に資金が移る局面だった上、水際対策の強化も響いた」とみる。
政府は8日から、中国本土からの直行便での入国者には出国前72時間以内の陰性証明の提出を求める。中国路線の増便の制限も続ける。中国政府による「ゼロコロナ」政策の緩和後も需要低迷が続くとの懸念が強まっている。ANAHD傘下の全日本空輸は年末年始の中国路線の予約数(2022年12月21日時点)が19年度の年末年始の7%と、国際線全体(48%)より回復が鈍い。
5日終値は22年11月の高値から1割近く下げている。証券ジャパンの大谷正之氏は「訪日客数は復調が見込まれており、今後は株価が回復していくのではないか」とみていた。
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