【化学肥料大手】人造肥料の草分け。水処理薬剤なども。
29日の東京株式市場で、肥料や化学薬品の製造・販売を手掛ける多木化学が一時前日比570円(10%)安の5240円まで下げた。28日にマツタケ近縁種のキノコ「バカマツタケ」の量産に向けた生産設備の着工を2022年度から23年以降に延期すると発表した。悪材料に反応した売りが出ている。
バカマツタケはマツタケより小ぶりなキノコで、味や香りなどはマツタケに近いという。多木化学が18年10月に人工栽培に成功したと発表し、同社株は発表翌日からの4営業日で8割上昇した経緯もある。人工栽培で量産できれば季節を問わず販売でき、同社収益の新たな柱になると期待されている。
いまは量産に向けた試作段階で、その後試験販売と並行して生産設備に着工する予定。同社は今回の延期について「一度の試作に3~4カ月かかることもあり、試験販売が今年末までずれ込むため」(総務人事部)とする。
同社は肥料で値上げ前の駆け込み需要があったことなどから、10月28日に22年12月期の業績予想を引き上げ、その後上昇に弾みがついていた。「上昇を受け信用取引で買いを入れた投資家が、今回の延期発表で投げ売りを出した」(松井証券の窪田朋一郎氏)との指摘がある。
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