【たばこ国内製造独占】海外たばこが成長。食品・医薬も展開。
ポッドキャスト「マネーのとびら」、今回のテーマは「荒れ相場の銘柄選び」です。年末を前に、日銀の異次元緩和の転換が明らかになって円高・株安が進むなど動きの激しい相場環境になっています。荒れ模様のマーケットのなか、安定して成長しそうな銘柄を探すヒントを、米国出身タレントのREINAさんと一緒に学んでいきましょう。解説は日経ヴェリタス編集長の塚本奈津美です。
2022年は個人投資家に人気だった米テック株が急落するなど、逃げ場のない厳しい相場環境でした。2023年に向けて投資のポートフォリオを見直す際に、チェックしてほしいポイントが「成長・投資・還元」です。
重要なポイントの1つ目は「成長」で、利益の伸び率で見ます。日経ヴェリタスが主要な日本企業500社の本業のもうけである「営業利益」の伸び率を調べたところ、半導体関連、海運などがランキング上位を占めました。22年は半導体不足に世界中の企業が悩まされ、年後半は景気減速懸念から需要の先行きへの警戒感が広がりました。半導体サイクルは一旦底に向かうとしても、経済安全保障への対応を含めて「次の成長の波」をとらえるならば、2023年以降も引き続き要注目の分野でしょう。
「年末はドイツに行って、ホットワインを楽しんできます」とREINAさん
2つ目のポイントは「投資」です。株価は将来の利益成長を見越して動くため、稼いだ利益を企業が何に使うかはとても大切です。世界の構造変化を読み、次の成長分野や、自社の強みをさらに伸ばすための投資を続けているかを「研究開発費の伸び」でチェックします。売上高に対する比率を計算し、同業種内や海外のライバル企業と比べるのが有効です。
3つめ目のポイントは「還元」です。株主還元を見るのには、まず1株あたりの配当額を株価で割って求める「配当利回り」を使います。ランキング上位に並ぶのは海運大手や日本たばこ産業(JT)といった銘柄です。一方、株主から預かったお金に対し、どの程度の配当を支払って報いているかを示す指標にDOE(自己資本配当率)があり、これを経営目標に掲げ、投資家に説明する企業も増えています。
後半の人気コーナー「American Money Life」では、日米の「健康診断」について話し合いました。日本企業は社員に健康診断を受診してもらうのが「義務」として法律で定められています。一方、「米国では健康を保つのは完全に自己責任です」とREINAさん。来日して「会社の健康診断なるものを初めて知った」そうです。米国の健康診断は自費で「かかりつけの医者と相談して、どの項目を重点チェックするかなどカスタマイズするのが普通」と教えてくれました。企業にとって負担にはなりますが、定期の健康診断実施は、働く人のワーク・ライフ・バランスを守る意味でも日本の利点の一つなのかもしれません。
「REINAのマネーのとびら」は毎週木曜日に、日経電子版やAppleのPodcast、Spotify、Amazon Musicなどのプラットフォームで公開します。
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