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インフレをはねのける有望株 営業利益率が選別の目安に
インフレに勝つ銘柄選定術(上)

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2022/9/21 11:00
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インフレの中、低価格を維持する企業の業績は大きく伸びる可能性も(業務スーパー・天下茶屋駅前店)

インフレの中、低価格を維持する企業の業績は大きく伸びる可能性も(業務スーパー・天下茶屋駅前店)

世界的なインフレで原材料の価格や輸送コストが上昇し、景気の後退や企業業績の悪化を招くとの懸念が高まっている。そうした逆風をはねのけて値上がりしそうな銘柄や、値下がりしにくい銘柄はどう探せばいいのか。株式投資のプロやスゴ腕の個人投資家に取材し、2回にわたって紹介する。初回は高い競争力を持つ企業の株を発掘する「攻めの銘柄選定法」を取り上げる。

インフレの高進という逆風をはねのけて業績を伸ばす企業の株を見極める。そのための重要キーワードが「利益率」だ。特に、売上高と営業利益を比べる「売上高営業利益率」という指標の有効性が増している。

インフレが進めば、事業のコストが上昇する。商品や原材料を輸入しているなら仕入れ価格や原価が上がり、エネルギー価格の上昇で事業所の光熱費や輸送コストがかさむ。人手不足による人件費の上昇も起きている。原価や販売管理費の上昇によって、多くの企業の利益が圧迫されているのだ。

■営業利益率は「競争力」

この逆風を最も強く受けるのは、もともと営業利益率の低い企業だ。例えば売上高が同じで、コストが売上高の1%分上がったとする。営業利益率10%の企業なら10%減益になるだけだが、営業利益率2%の企業は利益が半減してしまう。インフレの悪影響に耐えるための「余力」として、営業利益率の高さは重要になるのだ。

それだけではない。「営業利益率の高低には、企業の競争力がはっきりと現れる」と株式投資のプロたちは口をそろえる。競合他社と比べた営業利益率の高さは、商品をより高く売る力や、より低コストで製造や仕入れを行う力を意味する。独自技術やブランド力、事業の参入障壁の高さ、高いシェアに伴う交渉力など、企業の総合的な競争力の高さが反映されるのが営業利益率だ。

「競争激化や新規参入をはねのけ、利益率を年々高めている会社は、本当に実力が高いと言える」(株式アナリストの鈴木一之さん)

ブランド力の高い企業なら、商品を値上げしても売れるので、上昇したコストをきっちり販売価格に転嫁して高い営業利益率を保てる。価格で訴求するしかない企業ほどコスト上昇には弱い。

今年に入って日本企業も急激に、資源高や輸入品価格上昇の影響を受けつつある。現時点で高い営業利益率をキープしている企業は「値上げ力」が高く、今後さらに進むインフレにも強い銘柄である可能性が高いのだ。

もっとも、単に営業利益率が高ければいいわけではない。営業利益率の見方にはいくつかの注意点がある。まずはそれを見ていこう。

営業利益率を手がかりに銘柄を探す場合、業界によって「高い」と判断できる基準が異なる点に注意する必要がある。そこで有効なのは同業他社間での比較だ。

「メーカーなら10%以上が目安だが、小売業なら7~8%あれば優秀」(マーケット・ジャーナリストの和島英樹さん)。10%にこだわれば有望株を見逃す恐れもある。

逆にソフトウエア業界なら20%超の企業が普通にあり、「(上記の水準では)競争力が高いとは言えない」(マーケット・キャスターの叶内文子さん)。

営業利益率の「時系列変化」も重要だ。今期は高くても、前期よりは下がった企業は、経営環境が悪化し始めた可能性がある。

「数年にわたり、利益率が上昇し続けている企業が理想的。新規事業が順調に収益化している、コスト削減が進んでいるなど、経営力の高さの表れだ」と証券アナリストの宇野沢茂樹さんは話す。

「コロナ禍で一時的に営業利益率が下がった企業も多い。なるべくコロナ禍前の営業利益率の推移とも比べたい」と株式アナリストの鈴木さんは語る。

■高い営業利益率を維持できる3つの条件

ここからは、インフレ下でも高い営業利益率を維持できる企業の条件を見ていこう。その1つ目は「値上げ力の高さ」だ。上昇したコストを販売価格に転嫁できるなら、利益は圧迫されない。しかしそのためには、値上げしても売り上げが落ちないだけの競争力が必要だ。

「値上げ発表ニュースは企業の自信の表れであり、ポジティブに受け取るべし。値上げする気配がない企業の方が危険」(株式アナリストの鈴木さん)

その点、世界シェア首位に立つ企業や技術力で業界をリードする企業なら、顧客も競合に乗り換えにくいため、強気で値上げが行える。半導体検査装置メーカーのレーザーテックや防犯用センサー、自動ドア用センサーなどを手掛けるオプテックスグループといった、ニッチな分野に特化して世界トップシェアの企業は狙い目と言える。

値上げが許容されやすい分野の企業も注目だ。例えば即席麺大手の東洋水産は即席麺市場で強いが、「あらゆる食品で高いインフレが続くため、値上げしても全く目立たない」(マーケット・ジャーナリストの和島英樹さん)。

インフレ下でも高い営業利益率を維持できる条件の2つ目は、「インフレが追い風になっている」ことだ。そうした企業の代表例が資源関連だ。資源高は、資源を販売する側から見れば増収増益要因になる。資源開発国内最大手のINPEXや総合商社の三菱商事といった資源権益を持つ企業に加えて、既に出回った貴金属の回収・リサイクルを手掛ける企業にも注目が集まる。

インフレで高まる生活防衛意識が追い風となる企業もある。代表例がリユース業界だ。また、低価格の食品スーパー「業務スーパー」を展開する神戸物産のように、低価格を訴求する小売りも、仕入れコストの上昇をカバーできる経営力があれば高い成長が期待できる。

インフレの副産物とも言える円安でメリットを受ける輸出産業にも注目だ。「円安の業績押し上げ効果は『Jカーブ効果』とも呼ばれる。先に仕入れコスト上昇のデメリットが表れ、メリットは後から表面化する。1ドル=140円台という円安が続いている以上、今回も輸出関連株には大きな円安メリットを期待できる」。「Bコミ」というハンドルネームのスゴ腕個人投資家としても知られるこころトレード研究所所長の坂本慎太郎さんはこう語る。

利益率が高くインフレに強い銘柄の3つ目の条件は、「インフレでもコストが大きく増えない」ことだ。そうした企業が多いのがソフトウエア業界。製造業や小売業なら資源高や輸送コストの上昇が直撃するが、ソフトウエアなら光熱費上昇の影響を多少受ける程度で済む。

こうした企業は売り上げの増加ほどにはコストが増えないため、成長につれて利益率が飛躍的に高まっていくことも多い。半面、製造業よりは高い利益率を実現しやすいので、営業利益率10%程度では必ずしも評価できない。

このパターンで目立つのは、顧客から継続的に入金があるサブスクリプション型のサービスを提供する企業だ。中小企業向けのDXツールを展開するディップや、サイバー攻撃遮断サービスを手掛けるサイバーセキュリティクラウドなどが該当する。ビジネス拡大の初期は営業コストがかさむが、徐々に売り上げが積み上がりコストも下がることが多い。

ここまで見てきた3つの条件のいずれかに当てはまる企業の株を探していけば、その中からインフレという逆風に負けずに上昇しそうな有望株を見つけ出せそうだ。

(臼田正彦)

[日経マネー2022年11月号の記事を再構成]

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日経マネー 2022年11月号 インフレに勝つ資産強化入門
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2022/9/21)
価格 : 750円(税込み)
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