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写真はイメージ=PIXTA
2022年は「普通の相場」だったという印象です。 日経平均株価は横ばいで、3万円に届かない水準から2万5000円ぐらいを行ったり来たりしていた。なので、ボックス圏相場だということを念頭に置いて取引していました。「ボックスの上限になったら株価が下がる可能性が高く、下限になったら株価が上がる可能性が高い」というイメージです。
22年12月上旬時点で、年間の累計確定利益は約11億円です。大事なのは、日経平均が横ばいでも勝つこと。全体相場は上昇トレンドでも下落トレンドでもないと想定していたので、個別株投資でも常に順張りで入るわけではありませんでした。
例えば、株価が下落している時に節目を割りそうになったら、そこは逆に「買い」で入る、といった対応をしました。一方で、2~3日株価が強い時があれば、「そろそろ下落するんじゃないか」と考えました。
全体相場が長期の上昇トレンドなら、2~3日株価が強い銘柄があれば、さらに買い増していく投資を手掛けます。でも21年や22年の相場は、特に上昇方向にはトレンドが続かないと思っていたので、そうは対応しませんでした。
なぜ日経平均が横ばいで推移すると考えていたかというと、コロナショックで大きく下落した後に、ものすごく上昇したことが引っかかっていたからです。
あれは、やはり実体経済からすると、ずれていると思った。コロナ禍で経済的に苦しい人のほうが多いのに、株価が上がっているというのは、金融政策によって株価を押し上げてしまった面が大きいと思うので。その「ひずみ」みたいなものを返さなきゃいけない時が必ず来るというのは、2年前から思っていました。
ただ、足元の企業業績は悪くないです。特に、円安の恩恵を受けたところはすごく業績がいい。22年7~9月期決算を受けて、そうした円安恩恵の商社株なども購入しました。
他に、需給を見た投資も手掛けています。例えば、ソフトバンクグループは決算ですごく売られたけれど、その後に大きく反発したので買いました。あとは、カードゲーム人気に注目して、関連銘柄を購入したりもしました。こういった感じで、銘柄によって購入する理由が一つひとつ違うんです。
全体相場が横ばいから、はっきりとどちらかに振れるまでは、ボックス圏を想定した投資戦略を続ける予定です。
配当狙いの株も、全体相場が大きく下がった時には購入して、上がった時にそのポジションを減らして対応します。最近では、配当利回りが3%台に下がったので、ヤマハ発動機の利益を確定させました。
こうした横ばいの相場環境を「しんどい」と感じる投資家もいるかもしれません。でも僕は05年に投資を始めて、最初の何年かは下げ相場だったので、「普通の相場」という印象を抱いています。その辺の体感は、アベノミクス後に投資を始めた人とは違うのかもしれないですね。
今は日経平均は高値を超えていかないし、安値を割っていかないけれど、そういう相場はいつか来ると思います。
20年の上げ相場を見て、「近々、厳しい相場が来るんだろうな」とみていました。それでも横ばいで保っているというのは、そこそこ強いのではないかと思っているんです。ロシアのウクライナ侵攻といった大きなリスクがあったにもかかわらず。それを踏まえると、再び、相場全体が上昇に転じる時が来るようにも見えます。
23年の重要ファクターが何であるかと聞かれれば、一番のリスクは戦争だと思っています。何かが起きるのが日本の場中とも限らない。けれども、先物なら何かしら対応できるので、常に先物取引の口座にお金を入れています。そうすれば、慌てて株を売る必要もなくなる。
あとは為替リスクですね。円安恩恵の銘柄を保有していますが、円高に振れた時には、円高恩恵の銘柄に機動的に投資することができるよう、心積もりしています。
(大松佳代)
[日経マネー2023年2月号の内容を再構成]
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