日本の中央銀行。上場しているが、株式の取引量は少ない
円やドル、ユーロなどの通貨を売買するのが「外国為替取引」です。通貨によって相場を動かす材料が異なるだけに、各通貨の特徴、動きのクセをつかむ必要があります。
米国の通貨であるドルは世界の基軸通貨です。為替相場は米国の政策や経済動向を中心に動くことが多く、ドルや米国に関する知識は外貨取引を進める際の「必修科目」といえるでしょう。
国際通貨基金(IMF)によると、各国・地域の通貨当局が保有する外貨準備高の約60%がドル建て資産です。中国の人民元の増加などを背景にドルの占める割合は減少傾向にありますが、それでも圧倒的なトップです。
為替相場を動かす主な要因は中央銀行の金融政策、モノやサービスの輸出入額の差からなる貿易収支、外交・安全保障問題を映す地政学的リスクなどさまざまです。
2022年は米国の中央銀行である米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを進める一方、日本は日銀が金融緩和政策を続けたため、ドルは円に対して大きく上昇しドル高・円安が加速しました。
主要通貨に対するドルの強さを示す「ドル指数」をみても、22年9月には20年ぶりの高値を更新しました。ドルは円だけでなく主要通貨に対して全面的に買われていたといえます。
かつては米国が抱える巨額の経常赤字を背景に、ドルが円やユーロなど主要通貨に対し下落していた時期もありましたが、過去20年間のドル指数をみるとリーマン・ショックの起きた08年を底に14年ごろからは上昇傾向にあります。
戦争やテロ、国際情勢などで為替が動くこともあります。01年9月の米同時テロではドルが急落しましたが、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻後には逆にドルが買われました。欧州からの地理的な遠さからドル資産への安心感が高まった面がありそうです。