【たばこ国内製造独占】海外たばこが成長。食品・医薬も展開。
15日の東京株式市場で日本たばこ産業(JT)株が4日続伸し、一時前日比68円(3%)高の2788円と、2022年12月28日以来約1カ月半ぶりの高値水準をつけた。前日に発表した23年12月期の業績予想で、堅調な利益計画と配当金水準の維持が確認され買いが集まった。
23年12月期の連結純利益(国際会計基準)は前期比1%減の4400億円を見込む。円高に伴う売上収益の目減りといった要因がある一方、製品値上げの効果などで減益は小幅にとどまる見通しだ。
1株当たり配当は188円と前期から据え置いた。予想配当利回りは日経平均株価の構成銘柄で海運3社に次ぐ4位だ。
市場では、業績の停滞に伴う株主還元の水準低下が警戒されていた。結果的に6%を超える予想利回りが保たれ「個人投資家の買いが集まった」(ネット証券)との声が上がった。野村証券の藤原悟史氏は14日付のリポートで「減配リスクが意識されていたため、計画は好印象」と指摘した。
JTはロシアでの事業が今期の調整後営業利益の約25%を占める。同社は「国内外のあらゆる制裁措置・規制等を順守し、事業運営を継続している」と説明する。市場では「原材料の輸入などができており事業は悪化しない。23年の業績には響かない」(松井証券の窪田朋一郎氏)との声が出ていた。