【投資持ち株会社】中国・アリババ集団などを保有。ファンド運用も。
15日の東京株式市場でソフトバンクグループ(SBG)株が一時前日比118円(2%)安い4922円まで下落した。5カ月半ぶりに節目となる5000円を割り込んだ。米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻で、米新興テック企業の事業環境が悪化するとの見方がある。傘下の投資ファンドを通じて米テック企業に多く出資するSBGにも売りが出た。
終値は同71円(1%)安の4969円だった。SVB破綻の余波で、他の金融機関の融資姿勢も厳しくなるとの懸念がある。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏は「新興企業の資金調達に影響が出る可能性があり、間接的な影響が危惧された」と話す。
中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)では、新興製造業への統制を強める姿勢も示された。「出資する中国企業にも逆風が吹くと捉えられた」(国内証券)という。
米金融当局はSVBの預金の全額保護を決めた。14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発するなど、混乱は一服感もある。東海東京調査センターの石野雅彦氏は「(保有する株式価値から純有利子負債を差し引いた)時価純資産(NAV)が毀損されていないことが確認されれば、買い戻される可能性もある」と指摘した。